鑑定書・ソーティングの確認

鑑定機関について

世界的に権威のあるダイヤモンド鑑定書の発行機関は、GIA(Gemological Institute ofAmerica)と HRD(Hoge Raad voor Diamant)です。日本国内では、AGT ジェムラボラトリー(GIA JAPAN)と中央宝石研究所(中宝研・CGL)が特に信頼度が高く代表的な鑑定機関です。

日本の鑑定機関は宝石鑑別団体協議会(AGL)によって統括されており、加盟している鑑定機関では、共通のマスターストーンを使用してカラーグレーディングを行ったり、カットの評価に自動計測器を使用したりと、統一された鑑定をするための取り組みを行っています。AGL の評価基準も GIA のものを基に作成されています。

しかし、それぞれが独立した営利目的団体であるため、鑑定書の信頼性にはバラつきがあるのが現状です。こうしたことを踏まえ、日本のダイヤモンド業界では GIA / AGT / CGL の3つの機関の鑑定を正確なものとし、売買しています。業界ではこの3 社を A 鑑、3社以外の AGL 加盟機関をB鑑、それ以外をC鑑とランク付けして取引をしています。

※全国宝石学協会発行のものは2010年以降に鑑定・発行されたものはA鑑と同等の扱い。

|主要鑑定機関

GIA

1931年にカリフォルニア州で設立された、ダイヤモンドの鑑定機関としては世界で最も権威のある機関です。ダイヤモンド鑑定の基準となっている4Cを考案し、世界各国に22の支部があります。鑑定書の発行以外にも宝石学の教育や普及も行うなど、ダイヤモンド業界の発展に尽力しています。このような企業理念から、最も中立で厳正な評価をしてくれる鑑定機関と言われており、買取業者や市場からも高い信頼を獲得しています。

HRD Antwerp Institute of Gemmology

1975年に設立されたベルギーを拠点とした鑑定機関で、ヨーロッパで高い信頼度を誇っています。ベルギーの4つのダイヤモンド取引所を総括する公益法人で、公平でかつ正確であると定評があり、IDC規則(International Diamond Counsil Rules)を主導する機関です。

※IDC規則:ダイヤモンドをグレーディングする際に世界中の鑑定機関で尊守されている規定書のようなもの。

中央宝石研究所
(CGL/Central G em L aboratory)

1970年に創業した日本最大の鑑定機関です。ダイヤモンド鑑定の国内最大シェアを誇っており、国内市場の指標となっています。1992年にHRD と提携をスタートしており、今では国際的にもGIAやHRDと並ぶ信頼度を獲得しています。世界を代表する7大宝石ラボラトリーで組織されたLMHC(ラボ・マニュアル調整委員会)に日本から唯一参加しています。さらに、初めてハートアンドキューピットの鑑定をサブレポートとして取り入れるなど、先駆者的な鑑定機関でもあります。

AGT ジェムラボラトリー
(GIA JAPAN)

GIAと提携している日本唯一の機関で、GIA JAPANのラボ部門でもあります。もともとは、1971年に創立した日本宝石鑑別協会から、1978年に分離した子会社がAGT ジェムラボラトリーです。1984年からGIAとの提携を始めています。また、最新の判定機器を揃えたAGT ジェムラボラトリーは、
カラーダイヤモンドの色識別でも高い精度を誇り、微妙な色合いのダイヤを査定するなら、AGTの鑑定書は必須とも言われます。

|鑑定書

鑑定書はその石の品質を評価したものです。基本的には4Cであるカラー、クラリティ、カット、カラットが表記され、その他、蛍光性や内包物のプロット等が記載されたものまで様々です。基本的にルースの状態で 0.1ct 以上のもののみ鑑定書が発行されます。

◆GIA (GIA Grading Report)

発行年数により形式に若干の違いはありますが、内容は概ね以下のようなものです。解説を分かりやすくするため、カラー、クラリティ、カットのスケールの表記がある右側を省いて表示しています。

◆GIA D ( GIA Diamond Dossier)

GIA鑑定書の簡易版です。前ページのものからプロットが省かれており、サイズも小さくなりますが、基本的な見方はグレーディングレポートと同じです。

◆中央宝石研究所

中央宝石研究所の鑑定書です。

◆中央宝石研究所 ソーティング(Sorting Memo)

簡易版鑑定書です。鑑定書のような冊子にはなっておらず、小袋に宝石名や4C、蛍光性等が記載されているものになります。主に業者間にて使用されます。


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