金製品の真贋について

今回は皆様が身に着けているネックレスやリング等の金製品の真贋について簡単に見極める方法をご紹介したいと思います。
是非お持ちのお品で試されてみてください。

1.刻印

まず初めに確認して頂きたいのは刻印です。
金・プラチナ製品であれば純度の刻印が刻まれています。リングであれば内側に、ネックレスであれば留め具部分に刻印があります。刻印があるからといって必ずしも本物とは限りません。刻印が粗雑な場合も注意が必要です。
また、中には刻印の無いものもございます。刻印が無いから贋物とは限りませんが、ひとまず疑った方が賢明です。

2.磁石

二つ目は磁石を使って見分ける方法があります。
何故磁石を使うのかというと、金やプラチナは磁石に反応しませんが、メッキは磁石に反応するため、簡単に見分けることが可能です。ですが、本物の金・プラチナのネックレスでも留め具にバネが使用されているため、留め具の部分は磁石に反応してしまいます。また、ホワイトゴールドの中には磁石に反応してしまうものもありますので注意が必要です。
反対に磁石に反応しないものでも贋物の場合もありますので、磁石反応だけで判断することはあまりオススメできません。

3.感触

感触といってもパッと思い浮かばないと思いますが、本物と贋物では触った感じから違いが分かります。
金やプラチナは熱伝導率が高く、手で持つと初めは冷たいですが次第に手の温度で温かく感じるようになります。
また、持った時の重さでも違いはすぐに分かると思います。同じようなリングでも本物は重みを感じるのに対し贋物は軽く感じます。
もしどちらもお持ちという方は比べてみてはいかがでしょうか。

4.色味

こちらもなかなか難しいと思いますが、色味も真贋を見極める一つです。
純金は山吹色の様な色味をしており、純度が下がるにつれ黄色味を帯びてきます。
また、10金位になると銅の割合が増えるため、暗い色味になります。
また、塗装などの処理や作りが雑なものは疑った方がいいかもしれません。

ここまでは簡単に真贋を見分けられる方法をご紹介しました。ここからは、一般家庭では
なかなか難しい真贋を見分ける方法をご紹介したいと思います。

1.比重

私たちのように買取を行う側にとってこの比重は査定の際にとても重要になってきます。比重とは空気中の質量÷(空気中の質量-水中の重量)をした数字が比重値となり、純度によってそれぞれ比重値が決まっています。贋物の場合、比重値は出ません(ジュエリーのデザインや純度が低いものも比重が出にくい場合もございます)。なかなか一般のご家庭に比重計をお持ちの方は少ないと思いますので、貴金属専門店などで査定をお願いすることがあれば比重について聞かれてみるのも良いかもしれません。
ちなみに金・プラチナの比重値に関しては以下の通りです。

K24…19.13~19.51        Pt1000…21.24~21.66
K22…17.45~18.24        Pt950…19.84~20.91
K20…16.03~17.11        Pt900…18.61~20.19
K18…14.84~16.12        Pt850…17.53~19.53
K14…12.91~14.44        Pt800…16.56~18.91
K10…11.42~13.09        Pt750…15.70~18.30

2.硝酸

まず硝酸はとても強い薬品になるので、取り扱いの際には注意が必要となります。
金・プラチナは硝酸に全く反応しません。メッキであれば硝酸反応があるのでこれも真贋を見極める一つになります。
使い方としては硝酸と試金石というものを使用します。
気になるお品を試金石で削ります。試金石についた削り跡に硝酸を付け拭き取り、試金石から削り跡が消えれば贋物の可能性が高くなります。跡が残り金が残っているようであれば本物の可能性が高いです。しかし、純度の低い物ですと跡が残らない場合もあります。
また、試金石で傷をつけたジュエリーに直接に直接硝酸を付け、緑色の泡が出れば贋物となります。

ここまでは真贋の見極め方についてご紹介しましたが、最後に贋物に使われる金属の定番を紹介して終わりたいと思います。

タングステン…非常に硬く、熱に強い金属で、比重が純金と同じくらいの比重が出るため、K18やPt900などの刻印が入れられた贋物のリングやネックレスなどが作られ、買取店などに持ち込まれています。
タングステンは非常に硬いので、打刻がではなくレーザー刻印を入れているのがほとんどで、レーザー刻印は打刻の刻印の入り方よりも浅いのが特徴の一つです。しかし、最近ではタングステンの周りに本物の金やプラチナを塗装し、その上に刻印を入れたり、ネックレスの場合は引き輪やプレートのみ本物を使用するなど精巧な贋物まで出回っているので注意が必要です。重量のわりに留め具などが華奢なものが使われているものにも注意が必要です。
また、何度もお話ししているようにタングステンは非常に硬いため、デザインも基本シンプルなものが多いです。

いかがでしたか?今回は贋物についてお話ししましたが、もしかしたら贋物だと思っていたお品が本物だったということがあるかもしれません。
是非試してみてください

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