鉱物の世界~クオーツ編~

今回は愛好家の方も多い「クオーツ(石英)」についてお話しさせて頂きます。
クオーツとは鉱物名であり、その中に、皆様もご存知の「水晶」が存在します。
それでは、クオーツの世界をご紹介させて頂きます。

1-1.クオーツとは

クオーツを日本語表記で表すと「石英」となります。
クオーツはほとんどの岩石に含まれている「珪酸塩鉱物」です。
水晶やカルセドニー、アゲート、ジャスパー等も全てクオーツの一種となります。

1-2.珪酸塩鉱物とは

珪酸塩の形で存在する鉱物になり、地殻の大部分を形成する鉱物に含まれています。
その中で有名な石ですと、エメラルドやアクアマリン、トパーズ、ガーネット、トルマリン、翡翠そしてペリドット、他にも様々な石に含まれています。

2-1.水晶とは

珪酸塩鉱物は「三方晶系」ですが、その中で、美しい六角形の結晶に成長したものを水晶と呼びます。
水晶を英語表記で表すと、「Rock Crystal(ロッククリスタル)」となり、これはギリシャ語で「氷」を意味する「krustallos」が語源となります。

2-2.水晶に色がつく理由

水晶には様々な色があり、黄色・オレンジ~紫・黒などがあります。
こういった着色は水晶に元素が混入することによって着色がなされます。
アメシスト(紫水晶)とシトリン(黄水晶)は鉄分が混じって発色されます。
ちなみに、アメシスト(紫水晶)を熱処理すると、シトリン(黄水晶)のような黄色の発色を示します。

2-3.ガーデンクオーツ

水晶が成長するにあたり、様々な異物が閉じ込められる場合があります。
その中でも、私が好きなガーデンクオーツについて紹介させて頂きます。
ガーデンクオーツとは、その名の通り水晶の中に庭のような世界が出来ているものです。
角閃石やトルマリンが混入することにより、緑色の草木や、花畑のような模様が形成されます。
石の中に小さな世界が存在しているようでとても神秘的なので、是非ご覧になられてみてください。

3-1.カルセドニーとは

石英のうち、微細な石英がつくった、緻密な塊をカルセドニー(玉髄)といいます。
一般的には水晶の変種として知られています。
ちなみに、カルセドニーのうち、不透明なものをジャスパーといいます。
不純物が混じりこむことにより不透明なものとなり、リボン、ダルメシアンのような柄が形成されます。

3-2.アゲート

よくブローチやペンダントで女性の横顔のモチーフの多い「カメオ」に使われる石といえばアゲートになります。
カルセドニーのうち、縞模様を携えており、半透明の物をアゲート(メノウ)といいます。

3-3.水入りメノウ

メノウの成長過程で水が封じ込められ、そのまま成長しきった玉塊状アゲートを水入りメノウと呼びます。
水入りメノウを揺すると水の音が聞こえてきます。
面白いですね。

4-1.クオーツまとめ

上記でご紹介させて頂いた、水晶、カルセドニー、アゲートは全て石英の一種であり、その特徴によって名前がそれぞれにつけられているのです。
名前はそれぞれあれど、鉱物としてみた場合は皆同じなのです。
宝石を知る上で、宝石単体を知るよりも、鉱物から覚えていくと、更に宝石の世界は面白くなります。
鉱物の世界は奥が深いので、何度かに渡りお伝えしていきたいと思います。

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