マイナス金利と金相場

今、米国では利上げが話題になっていますが、今回は少し前に日本で話題になった、「マイナス金利」についてと、マイナス金利がどう金相場に影響するのかについてご紹介したいと思います。
少し難しい内容と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、最後までお付き合い頂けたらと思います。

1.マイナス金利とは

そもそもマイナス金利とはどういったものなのか説明したいと思います。
通常、私たちが銀行に預金をするとほんの少しですが利子がつき、少しずつ増えていきます。
しかし、マイナス金利になると預金している分の利子を私たちが銀行に支払わなければいけません。これがマイナス金利と言われるものになります。
ただ、今回のマイナス金利というのは日本銀行と各金融機関における話なので、すぐに私たちの預金利子がマイナスになるということではありません。
各金融機関は日本銀行に口座を持っており、お金を預けています。今預けている分に関しては金利はつきますが、今後新規で預ける分についてはマイナス金利(-0.1%)が適用されます。
ちなみに今、米国で話題になっている利上げとはこのマイナス金利とは真逆の考えです。
市場から少しお金を引き上げて景気にブレーキをかけようとする政策です。
要するに米国は今景気が強いことを表しています。
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2.マイナス金利の目的とは

ではなぜマイナス金利を行うのかというと、各金融機関は預けている分だけマイナスになるので、日本銀行にお金を眠らせておくよりも企業へ貸し出して金利収入を得たり、株式市場への投資に回したりする動きになります。
つまり、市場にお金を回して景気の向上を図ることがこのマイナス金利を行う目的です。

3.私たちへの影響

マイナス金利はすぐに私たちに影響を与えるわけではないと書きましたが、私たちが今預金をしている各金融機関の金利の引き下げは次々に発表されています。
元々金利自体わずかなものでしたが更に引き下げられるとなると預けていてもあまり得しないという考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また、ATMの利用料や振込手数料などの引き上げも考えられます。
反対に良い面としては、金融機関は企業や個人にできるだけ融資したいので、住宅ローンや自動車ローンの金利が下がり、今まで借りれなかった方でも審査が緩和されて借りれるようになるかもしれません。
結果的に住宅や車が売れるようになるので、不動産や自動車に関係する企業は良い影響を受けるとされています。

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4.マイナス金利と金相場

このマイナス金利が金相場にどのような影響を与えるのかという点ですが、現在、依然として経済の活性化やデフレ脱却の兆しは見えず、株価への影響も懸念されます。
“金利が無いに等しい預貯金に預けているよりも、安全性の高い金に替えて資産防衛を計っておきたい”
と考える人が増えているということです。
今後もしマイナス金利が更に進み、個人預金の金利もマイナスになるのではといった不安も多く、金利を生まない金への投資に目を向ける方が多くなった理由と言えます。
金を購入する方が増えるともちろん金の価格も上がります。
マイナス金利発表前の1月と発表後の2月と比較すると平均して約200円前後、2月の金相場は上がっています。
もちろん上がった原因が全てマイナス金利とは言えませんが、その中の一つになったことは間違いないでしょう。

最後に

いかがでしたか?マイナス金利には良いことも悪いこともあります。
マイナス金利に関しては今後更に引き下げる可能性もあると言われています。今後のマイナス金利の動向が気になるところです。
金利を生まない金。これから更に需要が増え、今以上に身近な存在へとなっていくのでしょうか。
そして経済が金相場に大きく影響を与えていることも今回少しお伝えできたのではないかと思います。
日本だけではなく、世界情勢も金相場に大きく関わってきます。
また経済や世界情勢についてもブログでお伝えしていけたらと思います。

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