今回は、ダイヤモンドのインクルージョンについてお話ししていきます。
1.インクルージョンとブレミッシュとは
インクルージョンとは、「内包物」を指します。
反対に、外部の特徴をブレミッシュと呼びます。
これらは、ダイヤモンドの4Cのうちの、クラリティ(Clarity)を査定する際にチェックします。
※クラリティ=透明度
上記でもお話ししたように、内部の特徴はインクルージョンと呼び、評価に大きく影響します。
クラリティは、①大きさ②数③位置④性質⑤レリフ(目立ちやすさ)で決まります。
通常、石に見られる特徴すべての合計ではなく、一番大きなインクルージョンの特徴でグレードを判断するのです。
ブレミッシュがVVSクラスより下のグレードに影響を与える事は極めて稀なことで、ほとんどのグレードはインクルージョンが影響します。
例えば、インクルージョンが、テーブル中央に端から端まで伸びる筋がたった一つあるだけで、そのダイヤはIクラス評価となってしまうこともあるのです。
2.インクルージョンの特徴
では、ここからはインクルージョンの特徴を述べて行きます。
クラリティは一番大きい傷で判断し、それが存在する場所によっても評価が変わってきます。
①フェザー:こちらが評価に一番影響するインクルージョンです。石内部の亀裂を指す業界用語で、白色で羽毛上の外観をしています。
②結晶:ダイヤモンド内に閉じ込められた鉱物の結晶をいいます。
③ピンポイント:小さい点状に見える微小な結晶をいいます。
④クラウド:個々に識別できないピンポイントの集まりで、全体で見ると、もやのかかったような外観になります。
⑤キャビティ:見た目は「欠け」です。フェザーの一部が欠け落ちてできた穴、あるいは表面にでてきている結晶が抜け落ちたことをいいます。
⑥レーザードリルホール:レーザーにより表面から内部に達する小さく細い穴をいいます。レーザードリルホールが施されているだけで、価値は数十パーセント程下がってしまいます。
⑦インターナル レーザードリリング:こちらはクラリティをあげるために施されます。表面に達していないダイヤモンド内部のレーザードリリングのことをいいます。こちらも価値は大きく下がります。
⑧ポリッシュライン(PL):ダイヤモンドを研磨した時に残された細かい平行線をいいます。
⑨スクラッチ:10倍拡大で見えるダイヤモンドの表面をよぎる白濁色の細い線をいいます。
⑩エキストラファセット:カットレスタイルに不必要なファセットの総称。たいていがガードル付近に存在します。
⑪ナチュラル:研磨済みのダイヤモンドに残された原石表面の一部をいいます。あるいは地肌を言い、通常ガードルの上やその周辺に見られます。
また、クラリティに関する用語で、「ピケ」と呼ばれるものがあります。それは、通常インクルージョンはルーペを使って見ますが、肉眼でインクルージョンが見えてしまう程クラリティの低いダイヤモンドのことをいいます。
実はまだ他にも種類はありますが、このように一言でダイヤモンドのクラリティと言っても、沢山の特徴があり、まさに天然石ならではですね。
クラリティと同じように、一言でカット、カラーと言っても、全て同じものは作れません。
そう考えると、お手持ちのダイヤモンドは、世界にたった一つしかない特別な存在に見えてきますね。