合成石にまつわる偉人達


今回はジュエリーにまつわる偉人達の中から、合成石にまつわる偉人達についてご紹介したいと思います。

・ピエール・ギルソン

ピエール・ギルソンは宝石合成の先駆者で、合成エメラルドや合成オパール、合成トルコ石等、様々な人工宝石を手がけた合成宝石の歴史に名を残す天才です。
キャロル・チャザムの合成エメラルドに感銘を受けたギルソンは、スイスに設立した研究室で宝石合成の研究をする日々を送っていました。
ギルソンは個人の力で宝石の合成を試み、製法特許を申請せずに秘密裏に宝石の製造を行っていました。
ギルソンは合成宝石について「研究室で合成される宝石は、母なる大地が創り出す宝石にとても近く、その価値を高めるもの」だが「合成宝石が天然石の市場への脅威とあってはならない」とも思っています。
その為、ギルソンはギルソン社で製造される合成宝石には”研究所にて生産された宝石であることを証明する証明書”付きで販売することを公表しています。
1990年代に高齢の為合成宝石の製造を止め、ギルソンの技術は誰にも引き継がれることなく、一代限りの趣味の技術として宝石の歴史に名を残しました。

・オーギュスト・ベルヌイ

オーギュスト・ベルヌイは合成石を発明したフランスの化学者です。
若いころから父親の写真スタジオで現像の手伝いをしているうちに化学に興味を持つようになりました。
17歳でパリ自然史博物館、化学研究所のフレミー教授の助手となったベルヌイは夜学に通い、1886年に化学での博士号を取得し、その後応用化学の教授となりました。
フレミー教授と短期間コランダムのフラックス製法について研究した後、フレームフュージョン法によるコランダムの合成に成功します。
このフレームフュージョン法で作られたルビーは色・透明度共に良く、ジュエリーにも十分使える素晴らしいものでした。
ジュエリーに携わる人々はベルヌイを「合成ルビーの父」と尊敬の念を込めて呼んでいます。

・ジュディス・オスマー

ジュディス・オスマーは天然石に最も近いといわれている合成石の開発者です。
1960年代に航空機会社の研究者として働く傍らで、レーザー研究のためにフレームフュージョン法での合成ルビーを作り始めた後、様々な合成石を育てるためフラックス法を使いました。
1983年には物理学者のヴァージニア・カーターと共に「ラモーラ・ルビー」と呼ばれる合成ルビーの製造会社を設立しました。この会社の合成ルビーは様々な合成ルビーの中でも最も天然に見えると言われていました。
この合成ルビーを編み出した製法の詳細は極秘にされていましたが、高温フラックス法だと知られています。
6台の炉を使っても、年間で6000~8000カラットとわずかなルースしか生産できません。
また2004年には活動を停止し、ラモーラ・ルビーは幻のルビーとなりました。

まとめ

いかがでしたか?まだまだジュエリーにまつわる偉人達はたくさんいますので、数回に分けてご紹介していきたいと思います。

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