最近パラジウムの相場がプラチナと肩を並べていますね。
なぜ、今パラジウムが高騰しているのか理由を紐解いていきます。
1.パラジウムとは
白金属の貴金属元素のひとつで、プラチナやホワイトゴールドの割り金として利用されています。
また、歯科材料や電子工学分野でも用いられており、最近では自動車排気ガスの浄化用触媒として急激に使用量が増加して需要が多くなっております。
2.パラジウム産業について
パラジウムの需要は主に排ガス触媒などに使用されています。
その供給の実に8割を担っている国が南アフリカとロシアの2国になります。
しかしここ数年、南アフリカでは鉱山ストライキが起き、ロシアではウクライナ情勢絡みの輸出トラブル等により今後も安定的に調達が出来るのか不安視されてきました。
需要に供給が追い付いていない状態になっている為必然的にパラジウムの値段が高騰しているのです。
加えて近年自動車触媒の需要が上がっているため、排ガス媒体需要が大きいパラジウムの需要が増え、値段の高騰に繋がっています。
安全資産としてパラジウムはまだ聞きなれないかもしれませんが、今後金やプラチナと肩を並べる存在になるかもしれません。
パラジウムは売却量が元に戻ったら需要はかなり下回る可能性もありますが、大幅な下げ幅はないだろうと言われています。
さらに、今供給不足は加速しているため、パラジウム需要の抑制を図るか、リサイクル産業の規模が拡大されていくでしょう。
では、最後に安全資産の金の最近の値動きについて軽くお話しさせて頂きます。
アメリカで利上げ問題が浮上しており、FRBの要人の発言で金の価格は一進一退している様子です。
金利上昇の環境に金はマイナスに動きがちですが、マイナスに動くにしても限度はあると言われています。
金の相場は利上げ以外にも世界情勢によって大きく変動するので、利上げで全てが決まる訳ではありません。
ただ、今はFRB理事長等の発言からして、利上げの可能性がかなり高まっているとのことで、金市場は様子見ムードも抱えつつ、緩やかに下げ傾向となっていると思います。
これからどう動くのか要人発言を気にしつつ、市場の動向も観察していきましょう。
(平成29年7月15日時点)