鉱物の世界~光沢について~


今回は、鉱物の「光沢」についてお話しさせて頂きます。
宝石と言えば、キラキラと輝いていますね。
しかし、どのようにしてキラキラと輝いているのでしょうか?
本日はその部分を掘り下げたいと思います。

1-1.光沢とは

はじめに、光沢の言葉の定義について簡単にご説明いたします。
鉱物がどのように光るのか、またその光り方を、光沢と言います。
鉱物の物理的な性質、表面の性質、透明度、光の屈折率によってどのように目に映るかを分類したものとなります。
まず、金属光沢と非金属光沢の2種類に分類されます。

1-2.金属光沢と非金属光沢とは

金属光沢とは、表面反射が強く、透明感がないものを言います。
それに対し、非金属光沢は、透明感があり、光を通すものを言います。
金属光沢は1種類のみとなりますが、非金属光沢は更に分類され、6種類に分けられます。
では早速2章から非金属光沢の種類をご説明させて頂きます。

2-1.ガラス光沢

ガラス光沢は、比較的屈折率が低く、透明感があり、ガラスのような輝きをもつものとなります。
鉱物はこの光沢を持つものが一番多く、石英(クオーツ)やトパーズ、蛍石(フローライト)、電気石(トルマリン)等が含まれます。

2-2.ダイヤモンド光沢

ダイヤモンド光沢は、その名の通り、ダイヤモンドに多くみられる光沢を言います。
屈折率が高く、透明感があります。この光沢を持つ鉱物は非常に稀であり、ダイヤモンド類似石のジルコンや、白鉛鉱も含まれます。

ダイヤモンドの原石を思い浮かべて頂きたいのですが、この光沢は、原石のままでは輝かないのが普通です。この光沢は研磨することにより、輝きが生まれるのです。

2-3.真珠光沢

ほわんとした柔らかい真珠のような輝きを言います。
均一な薄いシートが何枚も重なり、その重なった層に光が入ることによって、真珠を連想させるような光沢が生まれます。

2-4.樹脂光沢

樹脂による光沢を言います。あたたかみのある柔らかな輝きをしています。
代表例として琥珀が挙げられます。
琥珀は樹脂が化石化したものを言います。樹脂の蜜を吸いにきた昆虫が、そのまま樹脂に飲み込まれ、そのまま凝固した、「虫入り琥珀」等もあります。
カエル入り琥珀なんてものもあるそうですよ。。
他にも、樹脂光沢には、硫黄や滑石等も含まれます。

2-5.脂肪光沢

脂ぎったような輝きをもつものを言います。オパールや、アイオライト等がこのグループになります。
また、その名の通り、脂肪光沢を持つ鉱物の手触りもぬるぬるとしているそうです。

2-6.絹糸光沢

絹糸の束のような繊維状の結晶の鉱物が平行に密集しているときに見られる光沢となります。
繊維光沢と絹糸光沢は似ていますが、絹糸光沢の方が、繊細でキメも細かいです。

2-7.光沢は一種類とは限らない

同じ鉱物であっても、成分の違いによって光沢が変わるものがあります。
他にも、産地の違いによって光沢の種類が変わることもありますし、一個の鉱物のなかでも、結晶面によって異なる光沢を持つものもあるのです。

3-1.光学的現象について

宝石に光が入ることによって現れる現象を幾つかご紹介させて頂きます。
内容は恐らく今までのブログでも説明させて頂いているかと思いますので、簡単にご紹介だけさせて頂きます。

スター効果:宝石に星型の光の筋が現れる現象。
キャッアイ効果:結晶が同方向に平行に並ぶことによって、現れる現象。
猫の目のように見える。
アベンチュリン効果:キラキラと輝いてみえる現象。
例として、ラメを思い浮かべて頂ければ良いかと思います。
変色効果:アレキサンドライトのように太陽光下と室内の明かりで見た時で色が変わるような、光源の違いによって、光の色の種類が変わる現象。
シラー効果:石の表面下で虹色の金属的な光の輝きが起きる現象。
ムーンストーンを思い浮かべて頂ければ分かりやすいかと思います。

4-1.まとめ

以上が鉱物の“光沢”についてとなります。
鉱物の世界のご紹介もこれで3回目となりました。
これからも、みなさんに鉱物の世界の魅力を伝えていければと思います。

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