金相場はトランプショック?

先日、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任しましたね。
その前後から金は売り傾向になりました。更に、金相場に追い打ちをかけるように、アメリカでは利上げが実施される予定となっております。
なぜ、金相場は下がってしまったのか、利上げと金相場の関係とは、をお話しさせて頂きます。

1.利上げとは

まず、利上げとは、国の中央銀行が金利を引き上げ、景気にブレーキをかける事を言います。
金利が上がると、企業を筆頭に、民間人もお金を借りにくくなることで、お金の回りを緩やかにする事ができます。
もし、景気にブレーキをかけなかった場合、インフレ(物価の価値が上がり、お金の価値が下がること)が続き、物価の価値が上がり続けてしまう可能性があるのです。
過去の人々は何度もインフレを体験し、国単位で苦しい思いをしてきています。
そうした過去があるので、米国は過度なインフレに陥る前に今回「利上げ」を行い、釘を打つのです。

ここで金相場にとって問題なのが、利上げが実施されると、金相場にも影響を与えることです。
利上げが行われると、金利のつかない金は魅力が減ってしまうのです。
利上げはいつ行われるかは、不透明な状態ですが、FOMCのイエレン議長は去年の段階から、利上げを示唆する発言を続けています。

2.トランプ政権で何故金相場が下がったのか。

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トランプ大統領は、日本メディアでは暴言王とも言われています。
アメリカでも、辞任を要求するデモが毎日起きており、支持率の低さも伺えます。

しかし、支持率が低いながらも、トランプ新政権に期待している人々も多く、トランプ氏が大統領に当選した時は、為替が102円台だったのが、119円代まで跳ね上がりました。

為替と金相場の関係は基本的に反比例の関係にある為、為替が上がれば、安全資産の金は売られ、反対に、為替が下がれば、安全資産となる金を保有している方が安全なので、金の相場は上がります。
その為、為替が119円台まで上がった時は、金の相場はやはり下がってしまいました。

トランプ大統領は、就任前、様々な政策を打ち出し、アメリカファーストをうたっていました。
政策の中には、メキシコとの間に国境を作ることや、TPP離脱、日本自動車の関税引き上げ、イスラム教徒の入国禁止など、様々なものがあり、その多くが波紋を呼んでいます。
ただ、為替の動きは、そうした政策についての発言があれば、上がり傾向に走ったり、政策についての発表が控えられた時は、下がり傾向に走ったり、とまさにトランプ氏に翻弄されている状態でした。
最近(1/31現在)では、為替も落ち着きを取り戻してきており、113円台を行き来しています。
しかし、月初めの米雇用統計や、FOMCの開催など、行事がこの先待ち受けており、安全資産としての金相場は今後どうなっていくのでしょうか。
ますます今後のアメリカ政権に注目が高まっていきますね。

トランプ氏が大統領になることは、はじめは世界中のほとんどの人が予想もしていなかったことでしょう。
アメリカの暴言王、トランプ大統領による新政権は、アメリカ、そして、世界、もちろん金や為替をどのような方向へと導くのでしょうか。
その動向に世界が注目しています。

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