今回は「ざくろ石」という和名を持ち、1月の誕生石でもあるガーネットについてご紹介したいと思います。
実はガーネットというのはグループの名称で、ガーネットには様々な種類があります。
ではまず、ガーネットの歴史についてご紹介します。
1.歴史
ガーネットの歴史は古く、5,000年前から記述があるという説もあります。
身を守ってくれるという意味合いも古くから伝えられ、古代エジプトではユダヤ教の司祭が真理を守る石として、中世ヨーロッパでは兵士が護身のためにお守りとして持っていました。
ユダヤ人の伝説によるとガーネットは四十日四十夜続いた大洪水の中、ノアの箱舟で灯火の役目を果たし、暗闇に明かりをもたらしたとされています。
また、兵士がガーネットを身に着けていれば、病気やケガから身を守り、無事に帰れると信じられていました。
2.ガーネットの種類
ガーネットのグループには、成分の違いにより14種類ほどの鉱物があります。
ではどのような種類があるのか、それぞれご紹介したいと思います。
アルマンディンガーネット(鉄ばんざくろ石)
最も一般的なガーネット。鉄とアルミニウムを主成分としており、色は暗赤色~褐赤色です。通常ガーネットと言えばこの石を指します。
落ち着いたワインレッドに代表されるガーネットで古くから最も広く愛用されています。
パイロープガーネット(苦ばんざくろ石)
ルビーの様な赤色をしていますが、常に黒みを帯びており、赤色系のガーネットの中では最も産出量が少ないです。
アンティークで見られるボヘミアン・ガーネットはこの石のことです。
ロードライトガーネット(薔薇石)
「薔薇の花の様な」という意味で、その名の通り紫味を帯びた赤色~赤紫色をしています。アルマンディンガーネットと共に広く用いられています。
スペサルティンガーネット(満ばんざくろ石)
褐色味のオレンジ~オレンジ赤色をしています。中でも、比較的明るいオレンジ色のものは「マンダリンガーネット」と呼ばれています。
マラヤガーネット
褐色味のオレンジ~オレンジ色をしています。一般的にはスペサルティンガーネットに分類されます。
カラーチェンジガーネット
パイロープとスペサルティンが混ざったもので、アレキサンドライトと類似した色の変化を示します。
スターガーネット
アステリズム(スター効果)を示すアルマンディンガーネットのことです。
ナイジェリアやタンザニアで発見されます。
グロッシュラーガーネット(灰ばんざくろ石)
石灰質堆積岩が変成作用を受けた時にできるもので、鉄を固溶しているものは淡緑色や褐色で、その中でも帯黄檀色~赤褐色透明のものはヘッソナイトと呼ばれ、緑色をしているものはバナジウムを含むものでツアボライトと呼ばれています。
アンドラダイドガーネット(灰鉄ざくろ石)
カルシウムと第二鉄を主成分とするアンドラダイドはマンガン、鉄、クロムなどを含むと様々な色合いになります。
その中で黒色不透明のものと、緑色透明のものは宝石として珍重されています。黒色不透明のアンドラダイドは数%のチタンを含み、メラナイトと呼ばれ葬儀用の宝飾品として用いられます。
また、緑色透明のアンドライドはダイヤモンド光沢をもっており、デマントイドと呼ばれ、ガーネットの中でも最も美しく高価な宝石になります。クロムを少量含んでいるため緑色をしています。
デマントイドの中でも、中央にホーステールのあるものは更に高値で取引されています。
まとめ
いかがでしたか?単にガーネットと言っても様々な種類、色がございます。今回ご紹介した以外にもまだ種類はございます。
ぜひ自分のお気に入りのガーネットを探してみてはいかがでしょうか。