ほとんどの皆様が一度は目にしたことがあるであろう金箔について今回はご紹介したいと思います。
金箔といってすぐに思い浮かぶものといえばちょっと高そうな料理の上にちょこんと添えられていたり、金箔入りのお酒も目にします。建物でいうと金閣寺も有名ですよね。
ちなみに金箔とは金を薄く延ばしたしたもので、その厚さは約0.1ミクロンです。紀元前1200年頃にエジプトで製造が始まったとされています。
では、料理などに使われる食用金箔についてご紹介したいと思います。
1.効果はあるのか?
食用金箔は無味無臭で、本来飾りを目的として使用されています。
ですが、本来金箔は金属になるので体内に取り入れて害はないのか心配される方もいると思います。一部では金を摂取することにより、体内のイオンと反応し、病的な電位を正常化してくれたり、血中のイオンの流れを促し血行を良くする効果があるとありますが、科学的な立証はありません。
本来金は強酸などとも反応しない化学的反応が低い金属で、人が食べた際に胃酸で溶けることは無く、消化に関わることもないのでそのまま排泄されます。
また、必須ミネラルであるカルシウムやカリウム、鉄などと異なり、健康上必要な元素は無いとされているため、害もなければいいこともありません。
消化されずにそのまま排泄される点では、食物繊維と同じ働きをし、腸内の不要なものを一緒に排泄してくれる効果があると言われています。
2.食用金箔の成分
害のない金は「食」の面では食品添加物として認可されており、製造溶剤や着色料の目的で使用されます。
一般的に工業用や装飾用に用いられている金箔は、数パーセントの銀や銅を混ぜて使用しますが、銅は摂取する量によって人体に影響を与えるとされ、食用には含まれません。
食用に使用される金箔は純金:95%、純銀:5%前後の比率で含まれています。
また、驚く方も多いと思いますが、食用金箔に含まれる金箔は全体の4%ほどで、90%以上は他の成分でできています。
その成分とは薄く扱いにくい金箔をコーティングするもので「プルラン」と呼ばれ、デンプンを原料とする多糖類です。
また、プルランは水溶性ですぐに溶けてしまうので、プルランの上からさらに「ツェイン」や「シェラック」というものでコーティングします。
要するに、食用金箔は実際の金としての量のさらに4%ほどしかないことになります。
3.金中毒
金は金単体では安定性が高く、人体に影響を与えないとされています。しかし、金イオンは非常に酸化力が強く、人に限らずほとんどの生物に対して毒性を示します。
金イオンに触れたり、摂取することにより接触皮膚炎や接触アレルギー、腎臓障害が発症することが分かっています。これらを金中毒と言います。
また、リウマチの治療薬に金化合物が使われているものがあり、これを過剰に摂取することにより、皮膚炎や腎臓・肝臓の障害、貧血などが起こることも分かっているようです。
金箔自体に害があるのではないですが、金属の一種になりますので多量の摂取には注意が必要です。
4.金箔の色
金箔は金なんだから金色でしょ。ときっと誰しもが思うと思います。ですが、実は金箔には色んな色味の金箔があります。食用金箔でも少しお話ししましたが、工業用や装飾用に用いられる金箔には金の他にも銀や銅が含まれています。つまりその割合によって色んな色を出すことが可能になります。
一般的に作られる金箔の色味は、5毛色・1号色・2号色・3号色・4号色・3歩色などがあります。また、この他にも梅色、定色なども作られています。
純金が58.82%以上含まれているものが「金箔」と定められていることから、この色が定色と呼ばれます。
最も多く使われているのが4号色で仏壇や工芸などに使われています。
余談ですが、金箔は透かして見てみると青色をしているそうです。綺麗な青色だそうで、合金の比率によっては青色~緑色に見えるそうです。
遠くから眺めても近くで見ても美しい金閣寺ですが、1986年の2月に金箔の張替工事が始まり、1987年9月に完成しました。張替前の10倍の量の金箔が使われ、重さにすると約20㎏で、通常の金箔の厚さの5倍の金箔を使用し、それを二重に貼っています。
何年か毎に張替工事は行われているので、いつ見ても美しい金閣寺なんですね。
ちなみに金閣寺の金箔の色は1号色が使われているそうです。
最後に
では最後に金箔を使った食べ物の中で最も気になったものをご紹介して締めくくりたいと思います。
石川県の金沢で有名なスイーツ「金箔ソフトクリーム」です。
ソフトクリームの上から10㎝四方の金箔が1枚のっています。見た目のインパクトがとてもすごいです。
値段も891円とソフトクリームにしては割と高めですね。でも金箔がこんなに食べれると考えたら安いのかもしれません。是非金沢に行かれる際は食べてみてください。