これまで金についていろいろお話させていただきましたが、今回は金の純度と様々な色の種類についてご紹介致します。
1.金の純度による種類
金は様々な形で広く利用されており、金の含有量によって分類されます。
金の純度は24を最高として、純度100%の金をK24(24金)と表示します。
このKはカラット(karat)のKであり、宝石などの重さを表すcaratとは異なります。
また、金はとても柔らかい物質ですので、二つ以上の物質を混ぜ合わせて強度・耐久性を上げます。
このように物質を混ぜ合わせることを「合金」」といい、混ぜる物質のことを「割金」と言います。
・K24
他の金属を一切混ぜていないものをK24(24金・純金)と呼びます。
日本では純度99.99%以上のものを指します。
金地金や金塊(インゴット)、コインなどに使用されていますが、金属としては柔らかすぎる為、ジュエリーなどの細かい装飾には向いていません。
・K22
金の含有量が約91.6%のものをK22(22金)と呼びます。
K24のままだと変形しやすく管理が難しい為、純金に近い純度を持ち純金より硬いK22でアクセサリーなどを作って、有事の際に備えて身に付ける人もいます。
日本ではあまり馴染みがないですが、海外ではK22の金貨が多く見られます。
・K21.6
金の含有率が約90%のものをK21.6(21.6金)と呼びます。
これも海外の金貨に多く見られます。
・K20
金の含有量が約83.5%のものをK20(20金)と呼びます。
数は多くありませんが、ネックレスやブレスレット、記念コイン等があります。
・K18
金の含有量が約75%のものをK18(18金)と呼びます。
変色しにくく耐久性も兼ね備えている為、アクセサリーによく用いられます。
特に日本ではダイヤや色石付きのリング、ネックレスなどのアクセサリー全般に多く見られ、その数もかなり多く出回っています。
また、残り25%の配合する素材と分量によって、様々な色味に仕上げることができます。
・K14
金の含有量が約58.5%のものをK14(14金)と呼びます。
このあたりから割金の配合が多くなってくるので、色味が金ではなくなってきます。
海外の古い製品には刻印の表記より純度の低いものやメッキのものも多くなります。
・K12
金の含有量が約50%のものをK12(12金)と呼びます。
約半分が金ではない素材になりますので、色合いはもちろん重さも軽く感じます。
・K10
金の含有量が約41.6%のものをK10(10金)と呼びます。
よりリーズナブルな金額で手に入れる事が可能な為、近年10金のアクセサリーも増加しています。
18金などに比べるとかなり硬くなりますので、傷に強く変形しにくいです。
・K9
金の含有量が約37.5%のものをK9(9金)と呼びます。
K10と同じく近年低価格アクセサリーに多く見られるようになりました。
色合いが金ではなくなってくるので、パラジウムを多めにしてホワイトゴールドに仕上げることもあります。
2.カラーゴールドの種類
純金以外には金の他に違う素材が割金として配合されていますが、その割金の素材と配合量によって様々なカラーゴールドに変化します。
・ホワイトゴールド
K18の場合、金75%で残り25%がパラジウムと銀の合金です。
以前はニッケルも使用されていましたが、ニッケルは人体に有害な為、近年はパラジウムを用いることが多いです。
プラチナのような白い輝きになりプラチナより安価な為、人気があります。
・イエローゴールド
K18の場合、金75%で残り25%が銀と銅を同量程度含む配合です。
銀と銅の配分によって色合いが若干変化しますが、見た目は金に近いです。
・ピンクゴールド
K18の場合、金75%で残り25%が銅を8割程度と銀やパラジウムを混ぜた配合です。
柔らかいピンク色は女性に大人気です。
・レッドゴールド
K18の場合、金75%で残り25%が銅の合金です。
赤金とも呼ばれ、ピンクゴールドより赤みが強くなります。
・グリーンゴールド
K18の場合、金75%で残り25%が銀の合金です。
青金とも呼ばれ、やや緑がかった色をしています。
・ブルーゴールド
K18の場合、金75%で残り25%が鉄の合金です。
まだあまり普及していませんが、海のように深い青色が魅力です。
・パープルゴールド
K18の場合、金75%で残り25%がアルミニウムの合金です
カラーゴールドの中でも珍しい部類に入りますが、紫色の輝きはとてもシックで大人びた雰囲気を演出してくれます。
・ブラックゴールド
金に銀とパラジウムを混ぜるとホワイトゴールドとなりますが、そこにさらにプラチナを混ぜることによって黒く輝く金が出来上がります。
カラーゴールドの中でも異質と言える黒い輝きと光沢は見る者を魅了します。
プラチナを混ぜる為、非常に高価なカラーゴールドになります。
純金のままではジュエリーなどに向かない金ですが、その美しい輝きをどうにかして楽しみたいという思いから割金という技術ができ、カラーゴールドが生まれました。
そのおかげで私たちは金のジュエリーを様々な形で楽しむことができるようになったのです。
今後ますます技術が発達し、さらに多くのカラーゴールドが生まれるかもしれませんね。
3.金の1000分率と24分率
ここまで金の24分率についてお話しましたが、そもそもなぜ金は24分率なのでしょうか。
プラチナや銀など他の貴金属は1000分率のみの表記です。
金だけが24分率と1000分率の2通りあります。
24分率というのは昔からある基準です。
当時から1日は24時間と定められていた為、24を最大値とみなし、金の含有量を表したと言われています。
ちなみに、1000分率で表されている数字を、24分率にする計算式は、1000分率×0.24で求めることができます。
例)750×0.24=180 K18
585×0.24=140.4 K14
古来より人々に愛されてきた金は、パーセンテージという概念が生まれるよりもはるか昔から大変価値のあるものとされてきたのです。
24分率はその名残で現在でも使われています。