誰もが認める金の価値。その理由は?知っておくべき3つのポイント。

金には価値があって、それはとても高価であるという認識がありますよね。

同じように1万円札にも1万円の価値があると考え、実際社会では1万円の価値を発揮します。

しかし、金と紙幣(貨幣)は決定的に違います。

紙幣(貨幣)は国家単位の使用圏内で発行され、その範囲の人間が「この紙を1万円の価値のあるものとして振る舞いましょう」という約束のもと使用されています。

これに対し、金は地球上の地域・国家・人種を問わず「金そのものに価値がある(原価通りの価値)」という認識でその価値は揺るがないものとして取り扱われます。

指輪やネックレスの装飾品としての価値がなくなるくらいに曲がっても削れても、

金そのものとして取引がなされるという事です。

では、価値が保証されている金とは一体どうやってその価値が認められているのでしょうか。

簡単な3つのポイントでご紹介したいと思います。

1.希少性…他の宝石や鉱物との違い

そもそも、珍しい宝石や鉱物は金に限った事ではありません。

ダイヤモンドを代表するように高価な宝石はたくさんあります。

金の特徴

イオン化傾向が最も低く、その他の鉱物と比べて腐食しにくい。

簡単に言えば錆び難いという事。

このことから価値が落ちる可能性が低いと認識されています。

展性・延性に優れ、最も薄く伸ばすことができる金属。

装飾などに使われる「金箔」や衣装で使用される「金糸」がこの特性を表しています。

合金利用

金は他の金属と合金にする事が容易であり、硬度を上げるとともに様々な色合いをみせます。

銅の合金は赤く、鉄は緑、アルミニウムは紫、白金やパラジウムやニッケルは白、等となります。

人工生成は不可能

ダイヤモンド等の宝石は人工的に作り出せますが、金は今現在の技術では生成不可能とされています。

しかし、金を生成するためには莫大なエネルギーが必要とされています。

程度としては、太陽のエネルギーですら足りません。通常燃焼では足りないのです。

太陽10個分くらいの強大な質量をもった星が、超新星爆発を起こした際にやっと生成されるといわれています。

つまり、自然界では超新星爆発が起こらなければ生成されない鉱物という事になります。

もちろん人類がそのようなエネルギーを取り扱うことは現状では不可能なので、金を作り出すことはでません。

その他の特徴として

工業用途等にも利用されていますが、事項でご説明いたします。

「劣化がほとんどなく、人類には生成不可能な特性」による普遍性・希少性が金の価値を支えていると言えます。

2.経済との深い関わり

金は古くから通貨、高価な装飾品として価値を認められてきました。

その輝きや特性から富・権力の象徴でもあった金ですが、時代が進むにつれて様々な分野で利用されていきます。

経済基盤

金そのものを貨幣とする時代から国家が発行する紙幣や貨幣を金との交換を認めるという形で保証した「金本位制」という経済体制。

金の価値を基本に、経済基盤となる紙幣の流通を行うという売買の物品という見方ではない

仕組みとしての金の利用と言えます。

日本でも一昔前までは銀行で紙幣と金を交換できたという話を聞くことがありますが

、日本国でも導入されていたという事ですね。

第一次世界大戦を機に管理通貨制度へと変遷を辿るまでの長い間、

地球上の国家は金本位制で成り立っていました。

その名残として、金への価値観・信用が強く、投資対象として利用される程に今なお影響力を示しています。

工業用途としての金

我々の生活に不可欠となった電子機器の部品としての利用等も多く、

いわゆる「都市鉱山」と呼ばれる埋蔵量は日本では世界の金の16%を占めると言われています。

熱伝導率の高さや加工の容易さ、劣化の心配が無い部材としての金はとても優秀です。

パソコンなどの精密機器や宇宙船の重要な部品としても重宝されています。

また、医療等の分野での利用も増え、ますます人類社会での重要性が高まっています。

3.埋蔵量について

現在の地上在庫

前述の通り、金は人工生成不可能で自然界では地球ができた頃に既に地中などに含有されていたもの以外では生成されません。

有史以来、採掘された金の総量は17万トン程と言われ、だいたいオリンピックプールの3.5杯分程度です。

地中埋蔵量

残りの埋蔵量は約5万トンと言われています。

技術的に不可能な場所や予想だけで発見されていないものを含めると変動はありますが、やはり有限の資源であることは間違いありません。

近年では都市鉱山という観点にも注目が集まり、

枯渇することは物質的にはあっても人類が完全に採掘できるかどうかも不明で、市場としては枯渇するという心配は少ないとも言われています。

 

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