第二回目となる鉱物の世界、今回は6月の誕生石でもあるムーンストーンと、10月の誕生石もあるオパールについてお話しさせて頂きます。
それぞれ、ムーンストーンは月、オパールは宇宙を連想させるような神秘的な見た目をしていますよね。
今回もこの2種類の石の「鉱物」をメインに、初めにムーンストーンからご紹介させて頂きます。
1-1.ムーンストーンの鉱物って?
ムーンストーンは、「長石類(フェルドスパー)」から産出されます。
この「長石類」とは鉱物のグループ名になり、種類も20種類と非常に多く、前回ご紹介したクオーツ同様、地球で最もありふれた鉱物となります。
そのグループを大きく分けると、カリウムを主成分とする「カリ長石」、ナトリウム・カルシウムを主成分とする「斜長石」となります。
1-2.ムーンストーン独特の光り方について
ムーンストーンの中には、斜長石が含まれています。
そしてカリ長石のうち、ある方向に青白い一条の光を放つものをムーントーンといいます。
そのカリ長石と斜長石の層が格子のように積み重なっており、そこに光が入ると層と層の間で光が干渉を起こすのです。
宝石の内部から青白い怪しい光がモワ~っと出てきているように見えます。
これはムーンストーン独特の効果で、「アデュラー効果」と呼ばれます。
特に、ブルーに光って見えるものは評価が高く、「ブルームーンストーン」と呼ばれます。
ムーンストーンのカラーは以下の種類があります。
無色・オレンジ・グリーンなど。
オレンジは、オレンジ・ムーンストーン、また、ピンク・ムーンストーン、グリーンのものは、グリーン・ムーンストーンと呼ばれます。
1-3.サンストーン
長石類の中で、アベンチュリン効果(※ラメのようにキラキラ煌めいて見える効果)を持つものをサンストーンといいます。サンストーンはオレンジ色のものとなるので、まさに太陽のような石ですね。
1-4.ラブラドライト効果
斜長石の中に、ある方向に七色の光を放つものをラブラドライトと言います。
蝶の羽に見られるような妖艶な虹色の光を放つ効果となります。
虹色の光を放つので、レインボー・ムーンストーンとも呼ばれます。
カラーは、通常濃灰色で、無色のものもあります。
2-1.オパール
では、続いてオパールのお話しに移ります。
オパールには遊色効果(※宝石が虹色のように輝いてみえる現象)があり、その鮮やかさを宝石の中で最も美しいと評価する人も多いと言います。
2-2.オパールの鉱物って?
オパールは主に低温で珪酸分が沈殿したり、珪酸質の生物殻が堆積してできた鉱物となります。オパールはオパールそのものが鉱物名であり、宝石でもあります。
また、特定の結晶構造を持たない珍しい鉱物となります。
割れやすい性質を持っているので、取り扱いには注意が必要となります。
2-3.遊色効果が現れる理由
では、どのようにしたらあの独特の遊色効果が現れるのでしょうか。
上記でも述べたように、オパールは特定の結晶構造を持たない珍しい鉱物です。
酸化ケイ素であるシリカが集まって、その微細な粒子が細かく散らばり、溶けているように見える状態のコロイドと呼ばれる球を作ります。
規則正しく並んだ球は光を真っすぐ進ませますが、球の直径によっては光が障害物や隙間の裏に回りこんだりすることにより、光は真っすぐ進む事が出来ず波長が変わってしまいます。
イメージとしては、暗い部屋を懐中電灯で照らす感じです。
シリカの球の直径が大きいと、それだけ長い波長の光が発生して、色としては赤っぽくなります。
反対に直径が小さいと、光の波長も短くなり紫色っぽい色になります。
振動などにより、シリカの球の大きさが不揃いになると、光が乱反射してしまい、遊色効果を持たなくなります。
3-3.オパールの種類
オパールにはそれぞれ色もあり、遊色効果を持つ者、持たないものがあります。
その中で、遊色効果を示すオパールの総称を「プレシャス・オパール」と言います。
ブラック・オパール
ボディカラーが黒から濃灰色を示しているもの。
オパールの中で一番価値があるもので、赤、オレンジ系が出ているものが良いとされています。
ボルダ―・オパール
母岩の褐鉄鉱と共にカットされたもので、ブラック・オパールと一見類似していますが、ブラック・オパールとは希少性に大きな差があります。
ホワイト・オパール
ボディカラーが白色を示しているもの。
ファイヤー・オパール
ボディカラーが赤~オレンジの色を示しているもの。
ウォーター・オパール
ボディカラーが無色透明のもの。
コモン・オパール
遊色効果を示さないオパール
メキシコ・オパール(俗称)
ファイヤー・オパールとウォーター・オパールを主産地からとった名称のこと。
3-4.オパールの真贋
オパール自体、とても合成石が多いです。
オパールを見た時に、色の境界がカクカクしていて、六角形のように見えたら、合成の可能性が高いです。
しかし一概にそうとは言えませんので、ご参考までにお考え下さい。
今回はムーンストーンとオパールについてお話しさせていただきました。
次回も鉱物の視点から見る宝石の世界をお伝えしていきます。