アレルギーが出にくいとされるプラチナは、日本で人気が高く婚約指輪や結婚指輪の定番となっています。
そんなプラチナですが、ジュエリー以外にも自動車や美容に使われたりと様々な分野で活躍しています。
今回は医療に役立っているプラチナ【プラチナ製剤】についてご紹介したいと思います。
プラチナ製剤とは
1961年にミシガン州立大学教授バーネット・ローゼンバーグ大腸菌が電流によってどのような影響を受けるのかを調べていた研究者が、電極として使っていたプラチナが溶液と反応し、大腸菌の細胞分裂を止めているのを発見しました。
その後、プラチナ化合物がガン細胞にも同じような作用をもたらすことが確認されました。こうして開発されたのがシスプラチンというプラチナ製剤です。ただし、このシスプラチンは高い腫瘍収縮効果を持つものの、激しい副作用があるのが特徴の為、副作用が穏やかで、同じような効果を得られるカルボプラチンやオキサリプラチンなどが開発されました。
プラチナ製剤の特徴
プラチナ製剤は、細胞分裂期により高い効果を示すだけではなく、細胞が分裂していない時でも細胞中のDNAに作用し、効果を示すという特徴があります。
また、進行した白血病やリンパ腫など血液系のガンだけではなく、固形ガンにも治療効果を示すという特徴も持っています。
他の抗ガン剤に対して薬剤耐性を獲得したガンでも、プラチナ製剤は効果を示すことが多いため、プラチナ製剤は現在非常に多くのガンに使用されています。
副作用
上記でも少しお伝えしましたが、このプラチナ製剤の効果は高いものの、副作用も強く現れます。
その副作用の代表的な症状として、腎臓障害があげられます。特にシスプラチンでこの副作用が強く現れるため、シスプラチンを使用するときは大量の水分補給をし、腎臓を保護する必要があり、一般的には生理食塩水を混ぜて点滴をします。理由としては食塩水中の塩素がシスプラチンの分解を妨げる作用を持つためです。
その他の副作用として耳鳴りや聴覚異、手足のしびれ、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。
まとめ
日本人の2人に1人が発症すると言われているガン。そしてその死亡率はあらゆる病気の中で第1位とされています。
私たちが日ごろから目にしているプラチナがガンという病気に役立っていることになんだか誇らしさを感じます。
まだまだ様々な分野で活躍している金・プラチナですが、今後も更なる活躍を期待したいものですね。