『海水には大量の金が溶け込んでいる!!』

海水は1リットル辺りに約30グラムほどの塩が含まれていますがその海水には金が含まれているのを知っていますか?
現在、約100種類ほどの元素が公認されています。
そして、そのほとんどが海水に含まれており、金もその一つなのです。

世界の海水全体では、約50億トンの金があると言われています。

1.金を海から取り出すには!!

海水中に含まれる金の濃度は非常に薄いもので、1トンの海水にわずか1mgの金しか含まれていません。この濃度の薄さが、商業的に費用対効果のある方法で海水から金を取り出す最大の障害になります。

1-1海水に溶け込んでいる物質
水は多くの種類の物質を溶け込ませる性質を持っていて、海水にはなんと77種類もの元素が溶け込んでいます。チタン、リチウム、コバルト、バナジウムなど、一般にレアメタルと呼ばれている物質も海水に溶けています。原子力燃料として使用されるウランも存在します。ウランについては、世界中のウラン鉱山の埋蔵量に対して実に1000倍、なんと45億トンものウランが海水に溶け込んでいると言われています。
1-2海水から抽出する技術
実は、第1次世界大戦に敗戦したドイツが、課せられた賠償金にあてる目的で、海水中から金を回収する技術を本格的に検討したそうです。しかし、海水を蒸発させるために必要な燃料コストが大きく、結果として金鉱山から金を採掘するコストの数十倍の費用がかかることが判明し、この検討は打ち切られました。

2.海にはレアメタルやウランも!!

近年は日本でもレアメタルやウランなどを海水から取り出す研究が盛んに行われています。

2-1商業的にも抽出できるか?
海水からレアメタルの一種であるリチウムを抽出することに成功したという発表がされています。リチウムは携帯電話などに使われるリチウムイオン電池の主要材料ですが、南米のチリなどごく限られた地域でしか産出されていない貴重な金属です。
ウランを海水から抽出する技術も研究されていています。
これらの技術もやはり、採算のとれる採取コストでの手法を確立できるか、という点が最大の課題ですが、そうした取り組みを通して、いつの日か、金も海水から回収できるようになるかもしれません。
2-2チリで産出される酸化リチウム
チリ高地の塩湖からの酸化リチウムの産出量は実に81%にのぼります。酸化リチウムはリチウム電池の正極剤に不可欠なレアメタルです。
リチウムは海水中には2300億トン溶けており、海水中からリチウムを取り出すプラントが採算に合うレベルになれば、事実上無限にリチウムを取り出すことができます。
ですが現在の技術では乾いた塩湖の底から酸化リチウムを採掘するほうがコストが安いのです。
塩湖というのは、もともと海だった地域が海底の隆起により地上で塩分の多い湖になったもので、とくにチリの高地は乾燥した気候のために乾いた塩湖が多く、酸化リチウムを精錬しやすい環境にあります。

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