今回は、宝石を鉱物ではなく「色」の括りでご紹介いたします。
それぞれの宝石で色味、名前の由来、特徴等をお話したいと思います。
第一回目は、「青色」の宝石です。
青色といえば、サファイアが代表的ですね。
サファイア以外に青い色をした宝石は沢山あり、その中でいくつかピックアップしながら紹介していきます。
1.【サファイア】 鉱物名:コランダム
まず、サファイアは青色の宝石の代表です。
ただ、サファイア=青色ではありません。
ルビーとサファイアは同じコランダムから出来ている為、赤色味のものをルビーと呼び、それ以外の色をサファイアと呼びます。
サファイアの中には、カボションカットを施すとアステリズムを示すスターサファイアがあり、スターサファイアとなると、とても希少性が高いです。
2.【アクアマリン】 鉱物名:ベリル
ベリルという鉱物は、エメラルドやモルガナイトも産出します。
元が同じ鉱物でも、含まれている元素の違いにより、様々な色味を醸し出します。
その中で、鉄を含み、緑青色系のものをアクアマリンと呼びます。
名前の由来は、ラテン語で「水」と「海」から来ています。
また、アクアマリンは異物が少なく、非常に透明度が高い宝石です。
色味はグリーンがかったものが多く、美しい水色のものは希少です。
3.【タンザナイト】 鉱物名:ゾイサイト
ゾイサイトという鉱物も様々な色を出します。
透明な青色や緑、黄色、透明がかったピンクおよび緑色など。
その中で、青色を発するものを、ブルー・ゾイサイト、別名タンザナイトと呼びます。
多色性が強い為、紫色がかって見えます。
稀にキャッツアイ効果を持つものもあります。
色が濃い目で透明度が高いものが美しいとされ、特に多色性が少ないサファイアに似たものが、ビューティフルグレードがSランクになります。
4.【パライバ・トルマリン】 鉱物名:トルマリン
トルマリンは、複雑な組成が故、宝石界でも色の種類が最も豊かです。
その中でパライバ・トルマリンは、1980年代末にブラジルのパライバで発見されました。
とても希少性が高く高価な石です。
その色は、地球のような青色で、華やかなネオンの青でもあります。
色味は、青単色のものよりも、エメラルドグリーンを少し足したような青色が、価値が高いとされます。
トルマリンの中には、パライバ・トルマリンの他に、濃い青をした「インディゴライト」もあります。
こちらは、リチウムを含むエルバイトに属します。
トルマリンの結晶は、柱状をしていますが、それを異極小といい、両端の性質が異なります。それが原因で、片方が+、もう片方が-の電気を帯びます。
その為、トルマリンの和名は「電気石」と呼ばれています。
5.【ブルー・トパーズ】 鉱物名:トパーズ
トパーズの和名は「黄玉」となります。その為、黄色しかないのかと思いますが、色のバリエーションは豊富です。トパーズで最も産出されものが淡い黄色と無色の為、和名が黄玉とされています。
トパーズの透明度は宝石界随一だと言われており、見た目も綺麗です。
天然のもので淡青色のものもありますが、現在市場に流通しているほとんどは、無色石の放射線照射されたものとなります。
6.【アイオライト】 鉱物名:コーディエライト
アイオライトは、「ウォーター・サファイア」という誤称で呼ばれることもあります。
それは、アイオライトのファセットカット石は非常に多色性があり、テーブル側から見るとブルー・サファイアと似た色を示し、側面から見ると、ほぼ無色に見えるという性質からです。
アイオライトは、処理として、研磨以外の人的手段は施されていることはないとされています。
7.【ブルー・フローライト】 鉱物名:フローライト
フローライトも多色性があり、色のバリエーションに富んでいます。
世界の広い範囲で産出され、色のバリエーションも多いため人気があります。
また、金属を精練する時に、フローライトを一緒に溶かすと、金属が溶けやすくなる性質もあり、現在も使われています。
フローライトは強く熱すると発光する性質があり、一部のものは紫外線を当てると蛍光する性質があります。
和名は蛍石といい、その昔は子供が火にくべて遊んだともいわれています。
フローライトはブルーライトのような色味があり、もや~っとした色味を出します。
8.【ラピスラズリ】 鉱物名:ラズライト
ラピスラズリは、ラテン語で石を意味する、lapis、青を意味するlazuliからつけれられています。
ラピスラズリは、1種類のみの鉱物からの構成ではなく、主成分はラズライトという鉱物ですが、他にも、ソーダライトやアウイナイト、ノーゼライトといった様々な鉱物も一緒に混ざり、構成されています。
ラピスラズリには、青の中に、白や黄金色の鉱物たちがまだらに混じっていて、古くから人々に愛されてきました。
ツタンカーメンの黄金のマスクの青色の部分には、ラピスラズリも使われているんですよ。
その中の鉱物のアウイナイトは、とてもクリアなネオンブルーをしており、単体の鉱物から構成された物は少なく、かなり希少なもので、時にダイヤモンドより高値つけられることもあるそうです。
まとめ
一言で青と言っても、沢山の色味、性質、特徴があり、青い宝石=これ!と決めてしまうのはもったいないような気がしますね。
まだまだ、青い宝石も種類は沢山あります。
次回は、赤~ピンクの色をした宝石達を紹介していきたいと思います。