今世紀最大のダイヤモンドを発見

以前、世界の有名なダイヤモンドについてご紹介致しましたが、今回はいずれその中に加わるかもしれないダイヤモンドについて書きたいと思います。
ダイヤモンドと言ってもまだ原石の状態です。

1.歴史上2番目に大きいダイヤモンドの原石

2015年11月、アフリカのボツワナ共和国で、今世紀最大のダイヤモンドの原石が発見されました。
その大きさは1111ctで、これまで見つかったダイヤの原石としては過去2番目の大きさになります。
盾65ミリ・横56ミリ・高さ40ミリで、だいたい子供の拳ほどの大きさです。
1ctは0.2gなので222.2gあります。

世界最大のダイヤモンドの原石は?

原石から宝石にするには、その石にあった形にカットして研磨する必要があります。
その為、どうしても原石より小さくなってしまいます。
現在、世界最大のダイヤモンドの原石は、1905年に南アフリカで発見された「カリナン」です。
その大きさは3106カラットもありましたが100以上にカットされたので、研磨済みダイヤモンドとしての大きさは、1番大きいカリナンⅠ世の530ctが最大になります。

ちなみに、これまでで2番目に大きいダイヤモンドの原石は970ctの「エクセルシア」でした。
エクセルシアも10個にカットされています。

2.原石の大きさとダイヤの大きさ

世界最大のダイヤモンドの原石は「カリナン」ですが、研磨済みのダイヤモンドで世界最大のものは「ゴールデン・ジュビリー」です。
原石の大きさは755ctで、研磨後のダイヤモンドは546ctもありました。
つまり、原石の大きさと研磨済みダイヤモンドの大きさは比例するわけではないのです。

原石のカラットと研磨済みのカラット

先ほどもお話しましたが、ダイヤモンドのカット方法はその原石に最も相応しい形で行われます。
またすべてがラウンドブリリアントカットを施されるわけでもありません。
原石が大きくてもカットして大幅にカラットが減ることもあります。

世界的に有名なダイヤモンドの原石とカット後のカラットを比べてみると
・ゴールデン・ジュビリー 原石755ct カット後546ct  約72.3%
・カリナン 原石3106ct カット後530ct(カリナンⅠ世) 約17.1%
・センティナリー・ダイヤモンド 原石599ct カット後273ct 約45.6%
・リージェント・ダイヤモンド 原石410ct カット後140ct 約34.1%

こうしてみるとゴールデン・ジュビリーがいかに質の良い石だったかがよくわかりますね。
それに比べてカリナンは少しもったいない感じがします。

世界最大のダイヤモンドになるのか?

今回発見されたダイヤモンドの原石は1111ctありますので、カットの仕方によってはゴールデン・ジュビリーを超えも期待できます。
カットして半分の大きさになったとしても555ctなので世界最大のダイヤモンドになる可能性はあります。
しかし、上記を見てもわかるようにカット後に50%以上になることはそう多くはないです。
ちなみにラウンドブリリアントカットで0.3ctのダイヤモンドを切り出そうとすると、原石は最低でも1ct以上は必要と言われています。
この計算で行くと333ctほどのダイヤモンドになるので、残念ながら世界最大のダイヤモンドにはなりません。(あくまでもラウンドブリリアントカットにした場合です)
過去には「大きすぎると売れないから」という理由で分散してカットされた石もあります。
1111ctのダイヤモンドの原石は、世界最大のカット済みのダイヤモンドになるのでしょうか。

3.カット・研磨後の値段

さて、これほど大きい原石になると気になるのがそのお値段ですね。
RAPAポート誌によりますと、この原石を発見したルカラダイヤモンドのラムCEOは6000万ドル以上での売却を望んでいるとのことです。
1ctあたり60,000ドルという基準を採用したとのことです。
ラムCEOは「最終的に研磨が終わった段階でのダイヤのサイズや、歴史的背景を考慮する必要があるだろう。」と発言しております。
売却先はオークションか政府・美術館などと考えられていますが、これから最終的にカットの仕方を決めて、実際にカットして研磨となると、完成するのは数年先かもしれません。

1111ctのダイヤの原石はいったいどのような歴史を刻むのでしょうか・・・

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