地金につく「刻印」の意味

私達がお客様から貴金属の品物をお預かりして、査定する際に、一番初めにすることは、刻印をチェックして、品位を確かめることです。

今回は、金・プラチナ・銀製品の「刻印」に着目して、お話しさせて頂きます。

1.刻印について

造幣局検定マーク(ホールマーク)

造幣局検定マーク(ホールマーク)とは造幣局が貴金属製品の製造、または販売業者からの依頼に応じて、貴金属製品の品位試験を行い、この試験に合格したものには、製品自体に証明記号が刻印されて、その品位が証明されます。

日本のホールマークであれば、750等の数字の左側に日本の国旗が描かれています。
ちなみに、フランスでは、ゴールドの品位証明に「鷹」、プラチナであれば「犬」、銀であれば「女神ミネルヴァ」と品位証明に動物や女神が描かれています。

しかし、お手持ちの製品にホールマークが無いからと言って、その製品が偽物や、品位以下と決まる訳ではありませんので、ご安心ください。

その他の品位を表す刻印

ホールマーク以外にも、以下の刻印があれば、品位としては信頼度が高いです。

■金(K)の場合
K24・K22・K21.6・K20・K18・K15・K14・K12・K10・K9
999.9・916・834・750・584・417

■プラチナ(Pt)の場合
Pt1000・Pt950・Pt900・Pt850

■銀(SV)の場合
SV1000・SV950・SV925

数字は、それぞれの純度を表すもので、数字が低くなれば、金・プラチナ・銀の純度が低くなり、他の金属の混合率が高くなるという事を意味します。
何故他の金属を混ぜるかと言うと、製品の強度や耐久性を上げる為となります。
詳しくは「金の純度と種類」にて説明してありますので、ご参照ください。

2.刻印の場所

では、製品の何処に刻印があるのか、を2章で幾つかピックアップして述べていきます。
刻印は、製品によって打たれている場所が違ってきますので、お手持ちの製品でも是非確認されてみてください。

ネックレス・ブレスレット

ネックレスやブレスレットは金具やプレート部分に刻印が打たれていることが多いです。
引き輪といわれるネックレスやブレスレットを留める部分や、ダルマと言われるプレートの部分をご確認ください。

ピアス

刻印のない製品もありますが、本体の軸の部分(ポスト)とキャッチに刻印がある製品が一般的です。
キャッチの刻印は比較的大きく、肉眼でも確認ができますが、本体の軸部分の刻印は肉眼で確認することは難しいです。

ブローチ

背面・針自体に刻印がある製品が多いですが、まれにデザインのように正面に打刻されている場合もあります。
品位の証明だけでなく、ブランド名が刻印されている製品もあります。

3.メッキ(コーティング)刻印について

メッキとは、安価な値段で作ることができ、主に金製品に使われる代用品です。
悪徳な業者になると、色が似ていることから、メッキ製なのに、金製品として倍以上の値段売っていることもあります。

刻印があれば、確実にメッキであると分かるのですが、あえて刻印を打っていない場合もあるので、注意が必要です。
では、刻印についていくつか例をあげます。

■メッキ(コーティング)刻印
GP:Gold Plated 金メッキ
GEP:Gold Electro Plated 金メッキ
GF:Gold Filled 金張り
GR:Gold Rolled 金張り
HE:Hard Gold Electroplated 金メッキ
RGP:Rolled Gold Plate金張り
~M(ミクロン):メッキを意味する
1/20:1/20メッキコーティングしている
R:メッキが巻かれている

※Gの代わりにPが付いていたら「プラチナメッキ」になります。

その他の刻印について

最後に、その他の刻印を幾つかご紹介します。
1章のものと表記は違えど、製品としては本物である可能性が高いです。

■銀
・SILVER
・Sterling(SILVER)
・銀製 etc.

■プラチナ
・純白金
・白金
・PtやPm(昔のプラチナ表記)etc.

※SPM(サンプラチナ)刻印はプラチナの代用品でニッケル合金のことを言います。
プラチナは含まれていません。

■金
・純金
・千足金、足金:アジア金 etc.
アジアは刻印されているものよりも純度が少し劣るものが多いです。

※あとK:18Kや22Kなど、Kが後ろについている製品を言います。
これは海外製品に多く、純度が表記よりワンランク下であったり、全くの偽物である可能性もあるので、注意が必要です。

まとめ

今回は刻印を見ることによる、金・プラチナ・銀製品の簡単な見分け方についてお話しさせて頂きました。
最初でも述べましたが、刻印が無いからといって、100%偽物であるとは限らないので、ご安心ください。

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