ニセモノの多いインディアンコイン

皆様は世間で偽物のコインが出回っているのはご存じでしょうか?
メイプルリーフやソブリン金貨など数多くの種類がある中で、最も偽物が出回っていると言われているのが『インディアンコイン』です。
今回はそのインディアンコインについてお話したいと思います。

1.インディアンコインとは?

インディアンコインは、アメリカで発行されたK21.6(純度90%)のコインの一つです。
1908年から1933年の間に発行されたものがほとんどで、10ドル・5ドル・2.5ドルの3種類があります。
主に、ペンダントトップなどの金貨ジュエリーとして非常に高い人気があり、2005年前後から価値が高騰している金貨です。

2.コインの特徴

インディアンコインの表面には、インディアンの頭部をかたどった図案が施されており、裏面にはアメリカの国鳥であるアメリカン・イーグルが矢を束ね、オリーブの枝を絡ませた上に立っている図案が施されています。
その図案には、「E Pluribus Unum」(多数から成る一つ)「IN GOD WE TRUST」(我々は神を信じる)という、アメリカの二つの精神が刻印されています。また、その上部には「UNITED・STATES・OF・AMERICA」の刻印が打刻されています。

「IN GOD WE TRUST」(我々は神を信じる)のモットーは、あるタイプ・ないタイプの2つのデザインがあり、ないタイプは1907年〜1908年まで発行されたもの、あるタイプは1908年〜1933年まで発行されています。

【10ドル・インディアンコイン】
直径約27mm 約16.7g

【5ドル・インディアンコイン】
直径約21.5mm 約8.35g

【2.5ドル・インディアンコイン】
直径約18mm 約4.18g

インディアンコインの特徴として、表面と裏面が上下逆さまになっている点が有名です。
これは、欧米人が物の裏面を見る場合に縦にひっくり返すことから、このようなデザインがとられています。
この裏表逆さまのデザインがとられていないものは、偽物と言えるでしょう。

大きさによっての呼び名

10ドル → イーグル(eagle)
5ドル → ハーフ・イーグル(half eagle)
2.5ドル → クォーター・イーグル(quarter eagle)

10ドルを「ヤング・インディアン」、2.5ドル・5ドルのデザインを「オールド・インディアン」と呼んだりもします。

3.偽物の特徴

インディアンコインの偽物は、本物よりも直径が大きくカサ増ししてあるものが多く、カサ増ししている偽物は比重が低いため、比重計の検査で容易に判別できます。
また、本物と同じK21.6で作られた偽物のコインも存在します。
おそらく、インディアンコインにプレミアが付き取引されるケースを考えて製造された偽物でしょう。
また、金種が違うもので造られている場合、コインそのものであれば、重さのみで判明できることもありますが、枠が付いているケースが多く、その場合は重量での判断が難しいです。
比重値を計り、金種の確認をすることをおすすめします。

このように、時代に合わせて多種多様な偽物が出回っています。
偽物を購入してしまうと、そのほとんどが金として買取れない素材で、転売することもできません。インディアンコインを購入する際は、慎重に吟味する必要があります。

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