サファイアの魅力

ルビーの色と言えば赤、それではサファイアと言えば?
「青」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実はサファイアという石は青一色だけではないのです。
今回はサファイアに焦点を当て、その不思議な世界をご紹介させて頂きます。
ルビーについても少し紹介させて頂いているので、興味がある方は是非目を通されてみてください。

1.ルビーとサファイアの語源

ルビーとは、ラテン語で赤色を意味するruber(ルーベル)、サファイアとは青色を意味するsapphirus(サフィルス)が語源とされています。
過去の時代には、赤色と青色の全ての宝石を一括りにそう呼んでいました。
そして時代が進み、今はコランダムという鉱物から採れる宝石をルビー、サファイアと呼ぶようになりました。

ルビーとサファイアの違い

それでは、ルビーとサファイアの違いについてお話しさせて頂きます。
先程も述べたように、ルビーとサファイアはどちらも、「コランダム」と呼ばれる鉱物から採掘されます。
コランダムは、モース硬度(様々な鉱物の硬さを10段階で表すもの)の中で一番硬いダイヤモンドの次に硬い鉱物であるとされています。
さらに、古来より宝石の中心となる色は、赤・青・緑であり、コランダムはその中の赤と青の中でも最も代表的な宝石を含んでいる鉱物界のエリートのような存在なのです。

では、色が発生する仕組みですが、コランダムに「クロム」と呼ばれる鉱物が混ざると、赤色に変化し、「ルビー」と呼ばれます。
サファイアはそれ以外の鉱物がコランダムに混ざったもののことを言います。
その為、色は様々で、ブルーを始め、ピンク、イエロー、パープル、ホワイト、そしてグリーンなどがあります。
ちなみに、コランダムに「チタン」が混ざると、青色になるとされています。

一般的に、単にサファイアと呼んだ場合は、ブルー・サファイアの事を差していると思っていただいて結構です。
それ以外の色のサファイアは俗称として、「ファンシー・サファイア」とも呼ばれます。

 

2.ブルー・サファイアの原産地

サファイアの中で一番ポピュラーなブルー・サファイアですが、主な産地として、「インドのカシミール」、「スリランカ」、「マダガスカル」、「タイ」があります。
その原産地によっても色味や価値も変わってきますので、ご説明させて頂きます。

インドのカシミール

コーンフラワー(矢車菊)と呼ばれ、最も美しい色の産地とされています。
“幻のサファイア”と例えられており、市場に流通することはほとんど無い為、希少価値が高く、高額となります。

スリランカ

スリランカでは、鮮やかな青色~紫味のある青色のブルー・サファイアが採れ、その他フンシー・サファイアも数多く産出しています。
一般に流通しているサファイアの中で最も美しいとされています。

マダガスカル

2001頃から市場に流通するようになりました。歴史はまだ浅いです。
見た目や特徴がスリランカ産のものに似ていて、ファンシー・サファイアも数多く産出しています。

タイ

タイではやや暗い色のブルー・サファイアが産出されます
スリランカ産のものに比べ、価値は劣ります。

3.スター効果について

さて、サファイアにはスター効果があるものもあるのをご存じでしょうか。
スター効果とは、宝石をカボションカット(半球体のような形)にした際に現れる、六条の星のような光の筋のことを言います。
そのようなスター効果が現れるサファイアを、「スターサファイア」といいます。また、ルビーにもスター効果が現れるものがあり、同じように「スタールビー」と呼ばれます。
スタールビーの方は希少性が高くなります。

4.サファイアとルビーに施されている人的処理について

4章では、サファイアやルビーに宝石として美しく魅せるために、自然の力ではなく、人間が施している処理についてお話しさせて頂きます。

加熱処理

普段市場に出回っているサファイアやルビーですが、その95パーセントが加熱処理されていると言われています。
加熱することにより、暗味のある色や、色が濃すぎるものを、明るい色調に変える事が出来ます。

充填処理

表面にあるキャビティー(穴や窪みのこと)を主にガラス等で目立たなくさせる処理を言います。
充填処理はルビーに施される事が多いです。

含浸

こちらも主にルビーに施される処理で、石内部にあるクラック(=割れ)をガラス等で目立たなくさせる処理のことを言います。

5.パパラチアサファイアとは

最後に、パパラチアサファイアと呼ばれるサファイアについてお話しさせて頂きます。
パパラチアサファイアとは、色味はピンクとオレンジ色の中間色で、ミディアム~明るい色をしています。
お値段は高価になりますが、鮮やかさと華やかさを演出出来るので、女性の間では人気のある色となっております。

まとめ

ルビーと言えば赤ですが、その中にも、濃い色~鮮やかな色など、同じ赤でも種類はたくさんあります。
サファイアに関しては、青と言っても、もちろん濃い色~鮮やかな色など青色一つでも様々な種類があり、さらにピンク、イエロー、パープル、ホワイト、そしてグリーンなどがあります。
ルビー・サファイアは違う宝石のようで、コランダムという鉱物から生み出されている、等、宝石そのものだけでなく、原石となる鉱物から学んでみると、更に宝石の奥の深さに魅了されてしまいますね。

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