ダイヤモンドに新品・中古はあるのか?

今、世の中にあふれている商品にはほぼすべてのものに新品・中古があります。
そして、新品か中古かによって金額も変わってきます。
今回は、ダイヤモンドの新品と中古についてお話したいと思います。

1.新品のダイヤモンド

日本では家具や家電をはじめ、新品を強く求める傾向があります。
ではダイヤモンドはどうなのでしょうか?
これから話すのはダイヤモンドのルース(単体)についてです。

新品・中古の証明ができない

ダイヤモンドは婚約指輪や結婚指輪として選ばれることが多い宝石なだけに、できれば誰もまだ使用していない新品を手に入れたいものです。
しかしながら、ダイヤモンドに新品・中古の概念はありません。
と言うより、新品である証明ができないのです。
もちろん、質屋やネットオークション、リサイクルショップなどで購入されたものは、中古であることが確実にわかります。
しかし、高級ブランドショップやジュエリー専門店で販売されているダイヤモンドが、中古ではなく新品であるという保証はないし、誰も証明できないのです。
ダイヤモンドは外から物理的な衝撃を与えない限り、時が経っても劣化することはありませんので、新品・中古でも価値が変わることはありません。

市場に出回っているダイヤモンド

あえて、新品のダイヤモンドであると確実に言えるのは、原石からカットされて研磨されたダイヤモンドのみですが、それも新品か中古かを見分ける手立てがありません。
市販されているダイヤモンドは原石からカットして研磨した物もありますが、元々あるダイヤを再研磨・再カットした物も多くあります。
世界中のダイヤモンドの市場でも、数多くの入手ルートから仕入れたダイヤモンドを世界各国に再販しています。
その中には原石から加工されたばかりのものもあるかもしれませんが、やはり新品であるという保証はないのです。

2.ダイヤモンドの価格の違い

では、新品・中古がわからないのに、なぜ同じようなダイヤモンドで販売価格が違うのでしょうか?
この理由は、大きく分けて二つあります。

ダイヤモンドの4Cの違い

以前お話したダイヤモンドの4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)が大きく影響します。
同じようなダイヤモンドでもクラリティ(内包物)によって、金額は大きく変わります。
カラット・カラーは慣れてきたらは見た目で違いが分かりますし、カットもある程度大きければ形がわかります。
ですが、クラリティだけは肉眼だけでは判断が付かないことも多いです。
一見同じダイヤに見えるかもしれませんが、ルーペで拡大してみると違いがわかるはずです。

販売店による違い

もう一つは販売店による違いです。
4Cが全く同じでも販売店によって価格が大幅に変わります。
為替相場や輸入業者によって多少異なりますが、輸入時点でのダイヤモンドのルース価格は、仕入れる宝石店間で価格の差はほとんどありません。
販売価格=仕入れ価格+利益ですので、利益のところにいくら上乗せするかによって価格は変わっていきます。
この利益の付け方はお店のランニングコスト・ブランド力・考え方・ポリシーなどによって設定があります。
これがダイヤモンドの価格の差を生み出す唯一の部分なのです。
婚約指輪にはダイヤモンドを使うことが多いですが、同じようなグレードのダイヤモンドでも価格が大きく変わるのは上記のような考え方があるからです。
ダイヤモンドのグレードだけをとるならノンブランドでネット通販などから購入するのが一番安く買うことができるかもしれません。
しかし、安い買い物ではないので、やはり店頭で実際に現物を見てから購入する方が安全かもしれませんね。

最後に

先ほども述べましたが、ダイヤモンドの原石に価値を与えるには、何人もの人々の手に渡り、その原石に一番合ったカットや研磨を施す必要があります。
そこからさらに指輪にするのかネックレスにするのか等を考察し、ダイヤモンドが一番際立つ装飾を施します。
それから店頭に並べられ、皆様の前に姿を現します。
中には元々ネックレスについていたダイヤモンドを取り外して指輪に作り直した物もあるかもしれません。
しかし、世界中で有名なダイヤモンドは、世紀をまたがり所有者を変えていますが、その価値は下がるどころか一層価値を上げています。

ダイヤ付きの指輪として作られたジュエリーは、貴金属の部分が錆びたり、デザインが時代遅れになったりした場合、ダイヤモンドはそのままの状態で、貴金属の部分を新しいものに変えて新たな商品として生まれ変わることができます。

ダイヤモンドをはじめとした宝石は自然の産物です。
人類が誕生するはるか以前よりこの地球上に存在していました。
今回述べたこれらのことがダイヤモンドの最大の魅力であり、特徴なのではないでしょうか。

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