ダイヤモンドの評価は、4C(Carat、Color、Clarity、Cut)が基準とされていますが、実は、4Cの他に「蛍光性」も評価対象に含まれているのです。
ダイヤモンドに蛍光性とは?発光するということなのか?と疑問を持たれた方もおられるかと思いますが、今回はその蛍光性について詳しくお話しさせて頂きます。
さらに、ダイヤモンドの取り扱い・お手入れ方法についても説明させて頂きます。
1.ダイヤモンドの蛍光性とは
ダイヤモンドには紫外線(ブラックライト)を当てると、その紫外線を吸収し、発光するものがあります。
その色は、青色が一般的であり、中には白っぽい青色も存在します。
その他には、稀にオレンジ・ピンク・ホワイト、イエロー等も見受けられるようです。
発光性の強いものになると、太陽下でも感じ取れる程です。
そのようなダイヤモンドの蛍光性は4Cのように5段階評価が存在しています。
蛍光性の5段階評価
下記の図が蛍光性の5段階評価となります。
評価の中で、蛍光性が少な弱い方が価値は高くなります。
Noneが一番蛍光性が弱く、次にFaint、Medium Blue、Strong Blueそして最も蛍光性の強いものがVery Strong Blueとなります。
蛍光性 | 蛍光性の強さ | 価値 |
None | ||
Faint | 弱 | 高 |
Medium Blue | ↓ | ↓ |
Strong Blue | 強 | 安 |
Very Strong Blue |
なぜ蛍光性は発生するのか
では、何故ダイヤモンドには発光性があるのかと言いますと、結晶構造の歪みや、ダイヤモンドに含まれている「窒素」が原因であると言われています。
実は、詳しい理由についてはまだ解明されていないのが現状です。
しかし、蛍光性があると言うことは天然のダイヤモンドであるという証であり、全く蛍光性が無いものはCZ(キュービックジルコニア)等の人工ダイヤモンドである可能性が高くなります。その為、将来的には蛍光性のあるダイヤモンドの価値は高くなるとも言われているようです。
お手持ちのダイヤモンドをブラックライトで照らしてみると様々な蛍光性が見られて楽しいかもしれません。
呪いのダイヤモンド?
今回は、蛍光性についてお話しさせて頂いているという事で、「青」繋がりで小話を一つ紹介したいと思います。
皆さんは「ホープ・ダイヤモンド」というダイヤモンドを聞いたことありますか?
ホープ・ダイヤモンドは現在、スミソニアン博物館に展示されていますが、そこにたどり着くまでに、手にした人々を様々な不幸に陥れてきた、まさに「呪いのダイヤモンド」なのです。その大きさは45.52ctあり、非常に濃い青色をしています。
その美しくも妖艶な輝き、呪いの名を持つダイヤモンドとして、人々の関心を惹きつけてやまないホープ・ダイヤモンド。手にした人々は次々に自殺、餓死、殺人、と闇に堕ちていったと言われています。
このダイヤモンドを手にした人物は宝石商人を始め、フランスの大蔵卿や王子、更にはルイ14世やマリー・アントワネットの名もあります。
ホープ・ダイヤモンドについての詳細、及び他のダイヤモンドについてのお話しは別記事にて紹介させて頂いておりますので、是非ご覧になられてみてください。
2.ダイヤモンドの取り扱い方法について
皆様はダイヤモンドがついている指輪のお取り扱いはどうされていますか?
ダイヤモンドは世界一硬い鉱物であると言われていますが、それ故に雑に取り扱っていいという訳ではありません。
ダイヤモンドも汚れたり、割れたり、欠けたりもします。また、ダイヤモンドだけでなく指輪自体も変形したり、壊れたりする場合も、もちろんあります。
こまめに、柔らかい布で汚れを落としたり、保管場所を決めておき、紛失や、壊れるリスクを回避することが大切です。
注意して頂きたいこと
ダイヤモンドがついた指輪は、ダイヤモンドを留めておく爪の部分がとても細い構造の物が多いです。衣類に引っかかっただけでも外れてしまい、せっかく購入されたダイヤモンドを紛失させてしまう可能性もあります。
また、主に指輪に使われている金やプラチナは元々柔らかい物質です。それにパラジウム等の他の物質を混ぜ合わせる事によって強度を上げているのです。
その為、強い衝撃に耐えられず、ぐにゃっと変形してしまう事もあります。
指輪、ダイヤモンドは貴重品である事を念頭に置き、大事にお取り扱いして頂ければ、輝きも永遠の物となります。
では、最後にダイヤモンドのお手入れ方法について説明させて頂きます。
3.ダイヤモンドのお手入れ方法
ダイヤモンドの輝きを保つためには、半年~一年周期でクリーニングしてあげる事が大切です。
ダイヤモンドは油が付き易く、故に皮脂が付き易く、表面が曇ってきてしまいます。
ご家庭でクリーニングする事も可能ですので、その方法をご紹介させて頂きます。
用意して頂く物
- 少量の中性洗剤とぬるま湯を混ぜた物
- 柔らかい歯ブラシ
- 柔らかい布
まず①~③を用意して頂き、中性洗剤を混ぜたぬるま湯に指輪をつけ、柔らかい歯ブラシで優しくこすります。
こすり終えたら、新しく綺麗な水を用意し、水洗いして、最後に柔らかい布で丁寧にしっかりと拭きあげてください。
以上がダイヤモンドのお手入れ方法になります。
宝石の頂点に君臨するダイヤモンド、正しいお手入れをしてあげる事でその輝きは保たれ、永遠のものになります。