LCA and ISO CERTIFICATIONLCAの国際標準規格-ISO14040/44 認証を取得
業界初※リサイクル金の環境負荷を分析・評価
アプレは国内貴金属業界に先駆けた取り組みとして、当社の扱う再生金(都市鉱山由来のリサイクル金)のライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しました。
金のリサイクル過程で発生する環境負荷を科学的なプロセスに基づいて検証することで、再生金1㎏の生産につき約76.4㎏のCO2排出に相当する影響があることを明らかにしました。
※当社調べ
アプレの金は環境負荷が200分の1
調査において、新産金(鉱山採掘由来の金)1㎏の生産につき約16.0t-CO2相当の環境負荷があるとする先行調査を参考に、比較評価を行いました。 その結果、当社の扱う再生金は新産金に対して環境負荷が約200分の1である事が証明され、再生金の活用が環境問題への取組に大きく貢献することが裏付けられました。
※LCAの国際規格(ISO14040/ISO14044)に準拠した手法に基き、客観性と信頼性のある評価を行っています。
LCA取得の背景と目的
2015年パリ協定により、各国は長期的な温室効果ガス削減のための戦略を作成、提出することを求められています。
日本においても菅総理大臣(当時)が2020年10月の所信表明演説で、「我が国は2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。
当社としては貴金属のリサイクル・販売事業を行うことで、CO2削減に貢献することを目指しています。
その取り組みの一環として、リサイクルの過程で発生するCO2排出量の調査を行い、そのレポートについてLCAの国際標準規格-ISO14040/44の認証を取得しました。
今後取引先様は当社の取り扱うリサイクル金がどの程度のCO2を削減しているのか具体的な数値を認識することが可能です。
2030年、2050年の削減目標に向かって各国各企業が削減活動していく中で、今回の調査・認証により、より安心して当社のリサイクル金を取り扱って頂けると考えています。
リサイクル金の生成プロセス
〈リサイクル金の生成過程詳細について〉
①一般消費者が所有する金製品・アクセサリーなどの貴金属製品を全国のリユース事業者が買い取ります。
②リユース事業者から製品が集約された後、分別・仕分けが行われ、精錬会社へ送られます。
③製品は溶解され純度の高い地金が製造されます。
④地金は商社を通して貴金属製品を作る企業へ販売されます。
⑤企業は地金を材料にして貴金属製品を製造し、一般消費者へ販売します。
一般鉱山金の生成プロセス
About LCALCA(Life Cycle Assessment)とは
LCA(Life Cycle Assessment)
LCA(Life Cycle Assessment)は、製品やサービスに必要な原料の採取から、製品が使用/廃棄されるまでの全ての工程での環境負荷を定量的に評価する手法です。
LCAについては、ISO(国際標準化機構)による環境マネジメントの国際規格が規定されており、日本国内企業でもCSR報告書などでLCAが取り入れられております。
環境問題への関心が高まる中、LCAは環境負荷をより包括的に把握する手法として広く利用されています。
LCA実施の効果(1)
今後企業の経済活動において、2030年、2050年の具体的なCO2削減目標を定めるうえで、自社や製品の環境負荷を具体的に把握することの重要性が高まると予想されます。
当社のLCA調査によって得られたデータは、貴金属業界各社の事業価値向上に貢献していくものと考えています。
LCA実施の効果(2)
当社は、CO2可視化とISO認証にとどまらず新たな価値を創造し、ステークホルダーの価値向上を目指します。
また、2021年に日本国政府が発表した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」に記載されております各項目に沿った活動を行います。
当社は、今後カーボンクレジットを活用するなど、業界に先駆けた取り組みを積極的に行うことで、世界のカーボンニュートラル実現に貢献します。
VISIONアプレの事業活動と環境問題の関わり
「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」
「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」とはパリ協定の規定に基づき策定された、2050年カーボンニュートラルに向けた基本的考え方、ビジョンを示すものです。
<基本的な考え方>
地球温暖化対策は経済成長の制約ではなく、経済社会を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となるものと定義されています。
その中で、「分野を超えて重点的に取り組む横断的施策」が明示されています。その中から当社の事業活動に関連する項目は以下となります。
【イノベーションの推進】(一部抜粋)
気候変動という地球規模の課題に立ち向かい、脱炭素社会という究極のあるべき姿を実現するためには、従来の延長線上ではない、非連続的なイノベーションを起こさなければならない。
(中略)
AI・IOT、ブロックチェーン技術などが進展する中、官民を挙げて分野横断的なイノベーションに取り組むことが必要である。
【成長に資するカーボンプライシング】(一部抜粋)
カーボンプライシングなどの市場メカニズムを用いる経済的手法は、産業の競争力強化やイノベーション、投資促進につながるよう、成長に資するものについて躊躇なく取り組む。
国際的に、民間主導でのクレジット売買市場の拡大の動きが加速化していることも踏まえて、我が国における炭素削減価値が取引できる市場(クレジット市場)の厚みが増すような具体策を講じて、気候変動対策を先駆的に行う企業のニーズに早急に応えていく。