象牙について

象牙について

今回は幅広い世代に知られている“象牙”についてお話ししていきます。背景を知ったうえで象牙を見るとまた違って見えるかもしれません。真贋方法についてはまたの機会にご紹介します。

象牙とは

象牙とは象の巨大化した切歯の事を言います。
他の動物の牙は犬歯が発達した物を言いますが、象の牙は切歯といって一番手前の歯が発達した物をいいます。
また、象牙は素材が美しく、加工もしやすいため古来より珍重されてきました。

象牙の歴史

象牙の歴史は古く今から約4万年前には存在していたとされ、美術工芸品として用いられ始めたのが約3万年程前であると考えられています。
象牙が日本に伝わったのは、今から約1200年前の奈良時代であるとされています。
象牙に魅せられた日本人は技術を学び、独自の加工技術で装飾していました。
そして、他国との貿易が盛んになり加工技術も大きく発達しました。
江戸時代になると、象牙細工が発達し始めました。
象牙細工は元々中国で施されていた技術でそれを模造した事により発展したとされています。
象牙細工によって櫛や根付(江戸時代はポケットが無かった為、印籠や煙草などの小物を帯から下げて携帯するもの)、撥等様々な物が作成されました。
明治時代後半になると、衣服が流行したことにより根付の文化は薄れてきましたが1873年に行われたウィーン万博に日本の象牙細工が出店されたことにより、技術大国日本特有の丁寧で繊細な細工が世界に認められ、現代まで受け継がれています。

ワシントン条約

1900年代になるとワシントン条約が発足されました。
別名、絶滅のおそれのある野生生物の種の国際取引に関する条約といい、自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の一定の種が過度に国債取引に利用されることのないよう保護する事を目的とした条約と掲げられています。
象牙もその対象となり1989年より輸入禁止となりました。それ以降輸入国・輸出国等は象牙の国別管理をするよう努め、限定的に日本に輸入された事もありましたが、現在我々が目にする象牙は輸入禁止以前の在庫が使用されているのがほとんどです。
象牙の国際取引が禁止されてもなお、アジア圏内特に、日本や中国での需要は劣る事なく、中国では世界の象牙需要の70パーセントを占めているとされています。

象牙の種類

象牙の種類は象によって異なります。
一般的にはアフリカゾウが流通しており、そこからハードタイプとソフトタイプの2種類に分けられます。
2つの違いは主にその象が飲む水に含まれる鉄分の量や食べる者によって決まります。
ハードタイプの象牙は、硬度が高く、見た目も綺麗で軽く、置物に最適とされています。
色合いは少しピンクがかったアイボリー色で透明感のある光沢をしているのが得特徴です。です。
(アイボリーは象牙の事で、象牙の色がこう呼ばれています。)
ソフトタイプはハードタイプに比べ硬度が低い為ハードより安価となります。
色合いは白に近いアイボリー色とされています。
こちらは少し太めで、模様も大きめで彫刻細工に適しているとされています。
アフリカゾウ以外にもアジアゾウやインドゾウも存在し、中でもインドゾウは希少性が高く、牙が小さく密度も硬度も高く最も高級品であるとされています。

まとめ

象牙について初めて勉強した時、今日に至るまでゾウ達が違法者達によって密漁や乱獲されていたという歴史背景について、深く考えさせられました。
象牙は美しく人を魅了する存在であるが故に人間の欲望を掻き立てゾウの生命が脅かされてしまったのですね。
国際法も出来た今、正しく扱われて行って欲しいと願います。