輝き?希少性?なぜダイヤモンドには価値があるのか

輝き?希少性?なぜダイヤモンドには価値があるのか

人はなぜ、これほどダイヤモンドの輝きに魅了され、ダイヤモンドはなぜ、これほど高額で取引されるのでしょうか? ローマ時代、インドからローマに運ばれたダイヤモンドは、病気や災いから守ってくれるものだと考えられ、魔除けとして珍重されました。

魔除けや神秘性を有するものとして大切にされてきたダイヤモンドが、現在のような「宝石の王」としての地位を築き、誰しもが憧れる宝石として認識されたのは、なぜなのでしょうか?ここでは、現在のダイヤモンドがなぜこれほどの価値を有するものとして扱われるようになったのかをひもといていきます。

【目次】
ダイヤモンドはなぜ価値があるのか
昔はダイヤモンドの価値が現在よりも低かった
ダイヤモンドの価値は「4C」で決まる
合成ダイヤモンドの台頭で天然ダイヤモンドの危機
まとめ

ダイヤモンドはなぜ価値があるのか

ダイヤモンドの価値を高める要因は、大きく2つ挙げることができます。

1.輝きを放つその美しさ

2.容易には供給されない希少性

ダイヤモンドは、地球上の物質の中でもっとも硬いものであり、光の屈折率に優れています。精密で正確なカッティングを施されれば、その表面で光を反射するだけでなく、石の内側に届いた光をも全反射して、まばゆいばかりの輝きを放つのです。さらに、光の分散率も高く、見る角度によっては光を7色に分解します。ダイヤモンドの硬度は、その発掘や加工を難しくするものでもありました。

やっとのことで掘り出した原石は、加工するのにも多大なコストがかかります。さらに、容易には手に入らないという希少性から、宝石として顧客の手元に届くころには価格が跳ね上がることになるわけです。

そして、ダイヤモンドの価値が高まったのには、もうひとつの要因があります。それは、「ダイヤモンドは高価な宝石」だという価値観や常識です。

こうした概念は、南アフリカにあってダイヤモンド市場をコントロールしてきたデビアス社などによって作り上げられ、「宝石の王」としての地位を維持してきたという一面もあるのです。

昔はダイヤモンドの価値が現在よりも低かった

ダイヤモンドはそもそも、地下約140~190キロメートルにあるマグマの中で生成された炭素の同位体のひとつです。高温高圧の状態におかれた炭素が結晶化し、地殻変動を経て地表近くで掘り出されて、ダイヤモンドとして人々に珍重されてきました。

ダイヤモンドの価値は、古代から認められていましたが、現在の宝石としての価値と比較すると、かなり低いものだったと言わざるをえません。ルネサンス後期の金細工師によると、ルビーやエメラルドと比較して、8分の1ほどの価値しか認められていなかったといいます。なぜなら、天然石の中でもっとも硬いダイヤモンドを研磨する方法が発見されておらず、宝石として王侯貴族や貴婦人たちの胸元、手元を飾れるように加工するすべを持たなかったからです。

15世紀以降、「ダイヤモンドをダイヤモンドで磨く」研磨方法が考案されました。これによって、ダイヤモンドの原石はその輝きを存分に放てるようになり、宝石としての価値を認められるようになったのです。当初考案されたポイントカットから、ローズカット、ブリオレットカットなど、さまざまなカットが研究されるにつれ、その価値はますます高まっていきました。

18世紀にベネチアで開発された「ラウンドブリリアントカット」にいたって、ダイヤモンドの輝きとその価値が人々に大きく印象づけられたといってよいでしょう。

ダイヤモンドの価値は「4C」で決まる

現在、ダイヤモンドの価値を決める基準は「4C」と呼ばれています。これは、「Carat(カラット)」「Color(カラー)」「Clarity(クラリティ)」「Cut(カット)」の頭文字「C」を総称したものです。それぞれについて見ていきましょう。

1.Carat(カラット)― 重さ ―

ダイヤモンドの重さを表す単位で、1カラットは0.2グラムに相当します。語源は、紀元前6世紀ごろのインドでダイヤモンドを計る際に利用していた「イナゴ豆(キャラブの実の種)」。イナゴ豆ひと粒の重さが、ほぼ0.2グラムなのです。重さは大きさと必ずしも比例しませんが、1カラットのダイヤモンドの場合、約6.5ミリメートルの大きさになるとお考えください。

2.Color(カラー)― 色 ―

ダイヤモンドの色味で珍重されるのは、無色です。その一方で、ピンクやオレンジ、ブルー、パープル、グリーンなどのカラーダイヤモンドは、その希少性ゆえに高額がつくこともあります。

3.Clarity(クラリティ)― 透明度 ―

炭素の同位体のひとつであるダイヤモンドは、結晶化しきらなかった炭素などをその内部に含んでいることがあります。こうした内包物はインクルージョンと呼ばれますが、インクルージョンとキズが少なければ少ないほどクラリティ(透明度)が高いとされて、グレードが高まります。クラリティを判定する際は、10倍のルーペによる鑑定が一般的です。まったくキズがなく、インクルージョンがないものが最高ラインで、以下11段階に分けられます。

4.Cut(カット)― 研磨・形状 ―

カットは、ダイヤモンドそのものではなく、人間の技術によって品質が変わる唯一の基準です。そのダイヤモンドの輝きをいかに引き出すか、光の屈折をいかに作り出すかが、品質の判断基準になります。上述したように、時代を経るにつれ、様々なかたちのカットが考案されてきました。多くのカットの中でも、丸型のラウンドブリリアンカットは、ダイヤモンドの美しさを最大限に引き出すものだといわれ人気を博しています。

合成ダイヤモンドの台頭で天然ダイヤモンドの危機

合成ダイヤモンドが作り出されるようになったのは、20世紀後半です。それ以前は、地球の奥深くで数億年もの歳月をかけて形成され、地質変化や地殻変動を経て地表近くに出てきた天然のダイヤモンドを掘り出すしかありませんでした。

それ以前にもダイヤモンドの模造品が作られていましたが、天然のダイヤモンドよりコストがかかっていました。そんな中で、合成ダイヤモンドの製造法が編み出され、合成ダイヤモンドが流通するようになったのです。

研究開発が進むにつれ、コストを抑えつつ、より効率的にダイヤモンドを生み出せるようになりました。このまま合成ダイヤモンドの技術が磨かれ、よりお手頃な価格で良質なダイヤモンドが手に入るようになれば、天然ダイヤモンドの価値が失われてしまうのではないかという声もあります。

実際に、同じ品質の天然ダイヤモンドと比較して3割以上も安価になっています。しかし、人工のダイヤモンドが一般的になればなるほど、天然ダイヤモンドの希少性が高まることも事実です。天然の石であるという希少性に値がつき、今後もその価値を保っていくと予想されています。

まとめ

合成ダイヤモンドが開発されてから半世紀以上を経て、その技術は大きな進歩を遂げています。天然のダイヤモンドと変わらない硬さと美しさを持ち、より安価に手に入ることから、合成ダイヤモンドはその市場を拡大してきました。

その一方で、天然ダイヤモンドが価値を失うことはないようです。合成ダイヤモンドが流通すればするほど、天然ダイヤモンドの希少性がもてはやされ、婚約指輪のような「ここぞ」というときの宝石として、その価値を高めていくのではないでしょうか。

株式会社アプレでは、今後もダイヤモンドに関する情報を広く提示し、皆さまの疑問や質問にお答えしてまいります。お気軽にお問い合わせください。