鑑定士の七つ道具

鑑定士の七つ道具

今回は、我々鑑定士が査定をする際に、真贋を行ったり、品位調べに使う道具についてです。
もちろん経験から得た知識や自分の目も鑑定士において大切でありますが、我々が査定の際に使っている「七つ道具」を一つずつ紹介していきます。

ルーペ

貴金属・宝石の買取において、ルーペはとても大切です。
刻印やダイヤモンドのグレードを見る為に使用します。
基本的に、ルーペは球面収差・色収差がなされたとトリプレットレンズが良いとされております。色ずれや歪みが少なく、正確に像をとらえる事が出来るのです。

貴金属の刻印は肉眼で確認できるものもありますが、ピアスのキャッチ部分やポスト等、非常に小さく肉眼で確認しづらいものはルーペで覗くとハッキリと見る事が出来ます。
ダイヤモンドの場合は、鑑定基準は10倍のもので内部・外部の特徴がみられるかどうかになるため、査定の際は10倍ルーペを使用します。

比重計

比重計とは、重量の計測や刻印の無い製品の純度の計測に使用するものです。
比重計には「水」を使用しますが、本体は精密な計測器の為、水に弱く、取り扱いには細心の注意を払い丁寧に扱います。
また、エアコンの風や、微妙な振動によりエラーが起こるため、「平らで安定した、エアコン等の風が直接当たらない場所」に設置するようにします。

エックス線検査装置

エックス線検査装置とは、刻印が無い物や、刻印はあるけれど、本当にその純度なのか怪しいもの(比重計でも中が空洞であったり、色石がついていて計測が出来なかったもの・あとK・色や匂いに違和感を感じる等)の表面の純度の計測に使用します。
機械からは、微量の放射線がでていますが、人体への影響は無いそうです。
調査したい部分の純度をピンポイントに調べる事が出来ます。
(ただし、表面は18金と判定され、実は中にはタングステンが入っていたとしても、エックス線検査装置では、あくまでも表面の部分しか調べる事が出来ません。)

顕微鏡

ダイヤモンドや色石等の、インクルージョンや状態、ガードルの刻印等を観察する事が出来ます。
10倍ルーペで判断できるクラリティとしては通常SIクラスまでと考えられています。
※VS2以上の鑑定は肉眼ではほぼ不可能に近く、VVSクラスになると鑑定に出さないと査定は難しくなります。
顕微鏡を使用することにより、VS2程までであれば査定することができるようになります。

小学校教育の理科の授業で学ぶ顕微鏡と基本的には変わりませんが、倍率や精度、なにより光源が多数設置されているもの(上下独立の点灯式等)を使用することが一般的となります。

また、特殊なパターンとして、ダイヤモンドの中にガーネット等の別の鉱物が入っている珍しい物もあり、顕微鏡でないと判断できない場合がほとんどとなります。

キャラ計り

ブリリアントカットのダイヤモンドの大きさを計る為に使います。
ダイヤモンドの直径の大きさを計る事ができ、そこからキャラ数を出す事が出来ます。
ただし、キャラット表示は本来、重さの表示であり表面直径から図られたキャラ数ではないため、実際にキャラ数を計ってみると大きさが異なる場合もあります。
※ルース査定においてスケールでのキャラ数通りの査定にならない場合は上記に起因することが多いです。

電子天びん

キャラット数を計測するツールとして電子天びんもあります。
ガラスのドアで囲まれた天びんにダイヤモンドを載せる事により、重量を計り、正確なキャラット数を導きだす事が出来ます。
使用するときは、正確に測るために直射日光が当たっていない部屋でエアコンの風が当たらず、振動の少ない平らな所で計る必要があります。

ダイヤモンドテスター

ダイヤモンドの真贋にはダイヤモンドテスターを使います。
真贋したいダイヤモンドの表面にテスターを当てることにより、本物のダイヤモンドであれば、機械がピーッと音を鳴らします。
ダイヤモンドには、CZや合成モアサナイトやガラス、ホワイトサファイア等様々な類似石が存在します。
類似石とダイヤモンドを区別する際に必要なツールとなります。

ただし、合成モアサナイトは、ダイヤモンドと熱伝導率が高いという特徴が同じで、テスターのみの鑑別は出来ないのです。
真贋のためにはモアサナイトテスターを使用するか、複屈折性かどうかを確かめます。
ダイヤモンドは単屈折性であり、合成モアサナイトは複屈折性ですので、石を通してファセット稜線部を観察したら、線が二重に見る事ができます。(ダブリングと呼ばれています)

ブラックライト

鑑定士の七つ道具の最後の道具はブラックライトになります。
ブラックライトを使う事でダイヤモンドの蛍光性を見ることが出来ます。
ダイヤモンドを査定するにおいて、蛍光性も判断基準の一つとなっており、蛍光性が強ければ強い程、価値は下がります。
蛍光性の強弱は、ブラックライトを当てた際に、蛍光性が強ければ、力強く青白く発光し、弱ければ、ブラックライトを当てても単に光が反射しているだけで青白くは発光しません。
ブラックライトを当てると青白く光る珍しいダイヤであると、うたい文句をつけ販売している所もありますが、売却の際は価値は下がってしまいます。

まとめ

以上が「鑑定士が査定の際に使う7つ道具」の紹介になります。
七つ道具以外にも、査定には様々な道具を使います。
近年は技術も発達しているため本物か偽物かの真贋は非常に難しくなっております。
その為、我々鑑定士も日々レベルアップに努め精進して参ります。