身近なものにも?金が使われている工業製品や売却方法

身近なものにも?金が使われている工業製品や売却方法

「金」と聞くと多くの人が、ジュエリー製品や地金、金貨を思い浮かべるのではないでしょうか。

実は金の用途はそれらだけではなく、精密機器や工業製品にも使われています。

さびにくく変質しにくい、薄く延ばしやすい、電気を通しやすい、などといった理由から、多くの場面で活用されているのです。

一体、どのような製品に金が使われているのでしょうか?

また、工業製品に使われている金も、金製品と同じように売却することはできるのでしょうか?

今回は、金の工業利用について、その歴史や具体的な例、売却方法を解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.金が工業製品に使われてきた歴史
    1. 1.1.装飾品以外の利用。その起源は古代エジプト
    2. 1.2.本格的な金の工業利用は20世紀から
  2. 2.金が使われている身近な工業製品
  3. 3.コストがかかる?ほかの素材が使われることも
  4. 4.金を取り出して売れるのか
  5. 5.まとめ

金が工業製品に使われてきた歴史

金が工業用に使われてきた歴史は、宝飾品として使われてきた歴史に比べると浅いと言われています。

装飾品以外の利用。その起源は古代エジプト

金が装飾品以外に使われてきた歴史は、約3200年前までさかのぼります。

古代エジプトでは、防腐目的で壁面に金箔を利用したと言われていて、これが始まりとされています。

それから金箔は1000年以上かけて、日本を含め世界中に伝わっていきました。

それ以降、日本でも壁面に金箔を利用することはありましたが、装飾の目的が強かったと言われています。

機械製品もなかったため、装飾以外の目的で使われることはそれほど多くありませんでした。

本格的な金の工業利用は20世紀から

金の本格的な工業利用が始まるのは20世紀になってからです。

産業革命やゴールドラッシュを経て、金の利用用途は装飾性を重視したものだけでなく、実用性も兼ね備えたものになりました。

金の高い耐食性(さびに強い性質)や導電性、加工の容易さなどを生かした工業用品としての利用が始まり、その後は、半導体、音響機器の端子、人工衛星の保護剤や電磁シールド、航空機の窓などといった工業製品へ活用されてきました。

金が使われている身近な工業製品

金が使われている身近な例には、パソコンやスマートフォン、デジタルカメラ、冷蔵庫、テレビ、自動車などが挙げられます。

前述した高い耐食性や導電性などは、精密機器を作るうえで大いに役に立つ性質です。

パソコンやスマートフォンなどの精密機器においては、各パーツに電気を通す必要があります。パーツをつなぐ端子に、もし強い電気抵抗があると、正常に動かなくなってしまうでしょう。

そのため、電気を伝える必要がある工業製品には多くの場合金が使われており、私たちも気づかないうちに金を使った機器を使っているのです。

コストがかかる?ほかの素材が使われることも

金は希少な金属で、使用する際にはほかの材料に比べ、高いコストがかかることもあります。ここ10年ほど金のリサイクルが進みコストの軽減に役立っていますが、それでも金自体の価格は高騰しており、この10年で2倍以上となっています。

金相場

(参照:GoldPrace

そのような背景から、工業製品においてもコスト軽減を目指すさまざまな技術革新が行われ、金の代替品を用いる動きも出てきました。

たとえば、半導体には、かつては一部に金を使うのが主流でしたが、現在では銅を加工したものやパラジウムが代わりの材料として置き換わりつつあります。

また、やや工業製品から外れますが、金歯といった医療器具もセラミックへ移行してきています。

金を取り出して売れるのか

結論としては、金を取り出して売ることは可能です。

ただし、ほとんどの場合、ひとつの部品から取り出せる金の量は非常に少なく、まとまった量の金を取り出すためには、たくさんの電子機器を用意する必要があります。

目安ではありますが、具体的な金の量としては下記の通りです。

  • ノートパソコン(半導体)-1台あたり0.15グラム(300円から400円相当)
  • スマートフォン-1台あたり0.032グラム(100円相当)

この数字を見ると、1万円相当の金を取り出すためには、数十台から百台程度の電子機器を集める必要があります。

それだけの機器を集めて溶かし、精製するとなると相当なコストがかかり、売ることは可能であっても損をする可能性があります。

実際に金を取り出す業者は、一度に大量の電子機器を集めてから取り出すことで利益を得ています。

つまり、工業製品から金を取り出して売るには、大規模な設備が必要になるのです。

まとめ

私たちも、気づかないところで金を使った製品を使っているかもしれません。

東京五輪では、そういったものを回収することで、金メダルに使う金をまかなおうとするプロジェクトも進んでいます。

簡単に売ることはできませんが、この機会に自分の身の回りの金について見つめ直し、「どう活用できるか」を考えてみてはいかがでしょうか?