産地によって色が違うトパーズの特徴
- 2018.10.27
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トパーズは、和名で「黄玉」とも呼ばれているように、透き通るような黄色やオレンジの色合いの宝石を思い浮かべる人が非常に多い傾向にあります。ただ、実際のところは、さまざまな色のトパーズが存在することをご存じでしょうか? 実は、トパーズは産地によって色がまったく異なるのです。ここでは、そんなトパーズの特徴についてご紹介します。
トパーズとペリドットの名前が逆転していた?
今でこそトパーズといえば、簡単に思い浮かべることができるほど有名な宝石となりました。しかし、かつてはトパーズとペリドットを混同する人が多かったのも事実です。トパーズという名称は、古代ギリシャの紅海に存在していたとされている「トパジオス(Topazios)」という島の名前からきていると言われています。
この伝説の島では、トパーズと呼ばれる宝石の原石がよく採取されたと言い伝えられていました。トパジオス島は、現在ではゼビルゲット島であったのではないかと推測されています。ただ、この島でよく採取できる宝石の原石というのはペリドットが中心です。
また、11世紀末のフランス司教であるマルボドゥスが執筆した書籍には、トパーズには種類が2つあると記載されていました。このことから、トパーズとペリドットは別の宝石として認識されておらず、混同されていたのではないかと推測されているのです。現在のトパーズの認識がしっかりと定着したのは、1700年代になってから。かなり長い間、名前が逆転したり、混同されていたりしていたようです。
トパーズは11月の誕生石
トパーズといえば、11月の誕生石として知られています。宝石言葉は、「友情」「友愛」「希望」「潔白」で、仲間意識や貞節の象徴である石です。トパーズを持てば対人関係に良い影響を与えるとされており、日々の生活において調和をもたらせてくれると信じられています。
トパーズは、世界中のさまざまな場所で採掘されており、近年ではブラジルやモザンビーク、ロシア、そしてナイジェリアなどの地域で安定的に採掘されています。なかでも、ブラジルは世界最大のトパーズの採石地とされており、大きいものでは200kg以上の原石が発掘されることもあるのです。
トパーズの色の種類と価値
本来、トパーズという宝石は無色透明であることをご存じでしょうか? トパーズに色がつくのは、中に不純物が入ることが原因とされています。産地によって土壌の性質は異なりますから、トパーズの色や種類がそれぞれ異なってくるのです。
・ブラジル産トパーズ
ブラジルでは、さまざまな色合いのトパーズが出てきます。無色、淡い青色、オレンジ系の色、そして黄色など、色はさまざま。特にオレンジ色の中でもシェリーカラーのトパーズは、インペリアル・トパーズとも呼ばれて希少性の高いものとされています。
・ロシア産トパーズ
ロシアでも、さまざまな色のトパーズが産出されていますが、青い色のブルー・トパーズが主流となっています。
・パキスタン産トパーズ
パキスタンでは、もっとも多く産出されているのが天然もののピンク・トパーズです。インペリアル・トパーズよりもさらに希少性が高いといわれており、近年注目を集めています。その他には、インペリア・トパーズ、ブルー・トパーズなども、量は少ないものの産出されています。
見極めが難しいトパーズの本物を買うには
トパーズの本物と偽物を見分けるのは、非常に難しいものです。トパーズは、無色のトパーズを放射線処理して、ブルー・トパーズなどに似せることができるからです。天然のブルー・トパーズは、価値があるものとして流通していますが、人工のブルー・トパーズは、非常に安い値段で流通されています。
また、シトリンという宝石をトパーズとして販売していることもあります。一時期、日本では、シトリン・トパーズという名称で出回った過去があることから、シトリンをトパーズとして持ち込むことが多くなりました。さらに、シトリンにも偽物が存在しており、価値が非常に低い無色透明のアメジストを加熱処理して、黄色いシトリンとして販売されているケースも多い傾向にあります。
その他にも、アクアマリンやモルガナイトなど、トパーズには類似石が非常に多いです。本物との見分け方としては、比重計による測定や屈折率の計算、専門的な設備を使った鑑定など、多角的な手法を用いる必要があります。かなりの経験が必要となりますのでご注意ください。
まとめ
トパーズには、ペリドットと間違われていたような逸話や、誕生石の話など、面白い話がたくさんあります。また、同じトパーズであっても、産地によってさまざまな色のトパーズが存在するのも興味深いもの。ただ、天然のトパーズと人工的なトパーズ、そして偽物をしっかりと見分けるには経験が必要となります。トパーズの鑑定について、お困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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