カラーダイヤモンドの種類
- 2018.10.11
- ダイヤモンド

ピンク、ブルー、イエロー……ダイヤモンドといえば無色透明というイメージが強いですが、美しい発色が楽しめるカラーダイヤモンドも魅力的ですね。今回は、カラーダイヤモンドについて、炭素原子から構成されているのになぜ色がつくのか、どういう種類があるのかを説明します。カラーダイヤモンドに詳しくなれる知識をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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カラーダイヤモンドの種類
ダイヤモンドの発色はバリエーションが多いのですが、国際的な鑑定機関GIA(米国宝石学会)では、鑑定するカラーとして以下の8種類を定めています。
・イエロー(有名なイエローダイヤモンドは「サン・ドロップ」)
・オレンジ(現状世界最大のダイヤモンドである「ゴールデン・ジュビリー」はオレンジダイヤモンド)
・ピンク(淡いピンクカラーの「ダルヤーイェ・ヌール」が有名)
・レッド
・パープル
・バイオレット
・ブルー(有名な「ホープダイヤモンド」はブルーダイヤモンド)
・グリーン(人工的な着色ではない「ドレスデン・グリーン・ダイヤモンド」が有名)
GIAでは、ブラウンやブラック、グレーは鑑定するカラー対象には入っていません。ただ、世界的にはブラウンのダイヤモンドやブラックダイヤモンドを好む人がいますので、流通はある状態です。どのカラーも、天然の場合は非常に希少価値が高く、無色透明のダイヤモンドよりも高値で取引されることが多いようです。天然ダイヤモンドの場合、どうしてこのように様々な色になるのでしょうか。その点について、次でもう少し詳しく見ていきましょう。
なぜ様々な色になるのか
ダイヤモンドはなぜ様々な色になるのでしょうか。一般的に考えられている理由は主に2パターンです。1つは、長い間放射線にさらされることで結晶の構造が変化して色がついたパターン。放射線の影響で結晶の構造が変化して、可視光線が吸収されて色がついて見えるようになるという仕組みです。放射線照射による色付けは、人工的にも行われています。
もう1つは、炭素原子が結合して結晶化する際、微量の別成分が入り込むことで色がつくパターンです。窒素、ホウ素、水素などの不純物が入り込むことで、ダイヤモンド構造に影響を与えて色があるように見えます。その他、結晶面のズレなども色の原因となります。
同じ窒素原子が原因となっていても、取り込まれる量や取り込まれ方などによって、色味が全然違ってくる点は、まさに自然のなせる奇跡ということができるでしょう。
希少性が高いため値段は高くなる
天然のカラーダイヤモンドは、ダイヤモンドが生成される過程でのほんの偶然が作用してできた奇跡の産物です。当然ながら希少性が非常に高いため、値段は高くなります。カラーダイヤモンドの産出量は、全ダイヤモンドの産出量に対して0.01%といわれています。つまり、ダイヤモンド1万個に1つのカラーダイヤモンドが見つかる可能性があるということです。その希少性はお分かりいただけるのではないでしょうか。
天然のカラーダイヤモンドは鑑定で「ナチュラルダイヤモンド」とされ、人工的な処理を施したダイヤモンドとは明確に区別されることで、その価値が保たれている状態です。
現在は人工的に色をつけたものもある
価値が低いとされるダイヤモンドに対して、何らかの人工的な処理を行うことで、「美しく生まれ変わらせたい」という願望は昔から人々の夢でした。そこで、研究が重ねられた結果、現在では放射線照射・分子構造を変化させる・高温&高圧を与えるなどの方法が確立され、人工処理を施したダイヤモンドとして流通しています。
もっとシンプルな着色処理としては、表面に着色用の成分を蒸着させる処理もありますが、これは蒸着した成分が取れてしまうと元の色が見えてしまいます。人工的な処理で色をつけたダイヤモンドは、天然のカラーダイヤモンドよりはずっと価値が低く、手に入れやすい価格です。鑑定では「トリートメントダイヤモンド 」として、天然のカラーダイヤモンドとは明確に区別されます。
人工的な処理が行われているかどうかの鑑定方法は一応あるものの、専門機関でなければ簡単に鑑定できないほど、人工処理のクオリティも高くなってきています。
まとめ
カラーダイヤモンドの種類について解説しました。天然のカラーダイヤモンドの希少性は、産出量が全ダイヤモンド量の0.01%ということからも自明です。
昨今は、優れた人工処理も多いため、天然のカラーダイヤモンドかどうかの鑑定は、専門の鑑定機関に依頼するのがおすすめです。カラーダイヤモンドの鑑定について、何かお困りのことがあれば、ぜひ当社にお問い合わせください。
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