世界中で価値は一緒!ダイヤモンドの価格には国際基準相場がある
- 2018.09.29
- ダイヤモンド

金やプラチナなどの貴金属と同様、ダイヤモンドには国際的な基準価格が存在します。基準価格は、為替変動、国際情勢、需給や流通量のバランス、4Cで定められた価値から決定される価格です。国際基準価格は日々変動しますので、ダイヤモンドの買い取りをビジネスにするなら、金などの貴金属と同じように日々動向をチェックしておく必要があります。今回は、ダイヤモンドの価格について、基準相場と価格決定のプロセスについて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.ダイヤモンドには国際相場がある
- 2.国際相場はさまざまな要因で変動する
- 2.1.4Cで判定される品質
- 2.2.為替の変動
- 2.3.国際情勢
- 2.4.需要と供給、流通経路
- 3.ダイヤモンドの供給量はコントロールされている
- 4.販売価格は店舗ごとに設定されるため相場がない
- 5.まとめ
ダイヤモンドには国際相場がある
ダイヤモンドには、国際相場が存在します。ダイヤモンドの国際的な価格を決める要因はさまざまあり、それぞれが複雑に絡み合って価格が決まるのです。ただし、ダイヤモンドの国際価格はあくまでも業者間での取引価格のことで、一般人が購入する段階でつけられる販売価格は、店舗によって決められるため基準となる価格は存在しません。国際相場は、以下の要因が絡み合って大きく変動します。
・4Cで判定される品質
・為替の変動
・国際情勢
・需要と供給、流通経路
国際的な流通価格を決める要因については次で詳しく見ていきましょう。
国際相場はさまざまな要因で変動する
ダイヤモンドの価格変動の要因について、順番に説明します
4Cで判定される品質
4Cとは、「カラット・クラリティ・カラー・カット」の4つの側面から見た、ダイヤモンドの価値を測定する基準のことです。カラットは重さ、クラリティは透明度(内容物や傷の有無を含む)、カラーは色(無色透明が高品質)、カットは研磨や形のこと。カットは、プロポーションがグレードの判定基準となっていますが、シンメトリーやポリッシュという評価基準も別に加算される仕組みです。
4Cの評価基準は、国際的に定まっていて、別の要因で大きく変動することはありません。鑑定する人の技術力による部分は多少ありますが、専門的な機関での判定は統一されており、安定していると考えて良いでしょう。ダイヤモンドの価格が変動する要因は、残りの3点が大きく関わっています。
為替の変動
為替の変動は、産出国の通貨と米国ドル、さらに米国ドルとダイヤモンドを取引する通貨(例えば、日本円)の間で発生し、複雑な上下動を繰り返しています。各国で何か大きな事件などが起こった場合、まずその国の通貨が大きく反応して、その後輸出入で強い関連のある国へと影響が広がっていきます。このように、為替の変動に関しては、各国情勢と密接に関わりがありますので、いつも確認しておきたい要因です。
国際情勢
国際情勢は、各国での内紛や戦争、大規模な天災などが発生することでダイヤモンドの価格に影響を与える要因となります。ダイヤモンドの有名な産出国で紛争が発生するようなことがあれば、供給量にも影響が出るため、主要産出国の動向については定期的にチェックしておきたいところです。
需要と供給、流通経路
需要と供給、流通に関しては、次項で詳しく説明しますが、一般的にいえば需要が大きいのに供給量が少なければ価格は高騰し、供給過多になると値崩れを起こすという基本的な部分は押さえておきましょう。
ダイヤモンドの供給量はコントロールされている
ダイヤモンドが供給過多になれば、「値崩れを起こしてしまう」と先述しました。そのため、ダイヤモンド業界では、大手のダイヤモンド商社がダイヤモンド原石を管理して流通量が一定になるように尽力し、極端な高値や値崩れなどを起こさないよう調整しています。ダイヤモンド商社では、一部の業者にしか公開していない業者間の価格表を用意しており、実質はその価格で取引されています。
ダイヤモンドの価格が一定に保たれているのは、このシステムのためです。毎週ダイヤモンドの価格は4Cの品質別に発表されていて、その価格は為替の変動もある程度は考慮されています。世界のダイヤモンド取引業者は、この価格を元にして取引を進めているのです。
販売価格は店舗ごとに設定されるため相場がない
ダイヤモンドの流通価格について、ここまでで詳しく説明してきましたが、この価格は、業者間での取引で使用される価格です。一般的にはダイヤモンドの国際市場で利用されている基準価格は使用せず、販売店が独自に設定しています。大手チェーン店や高級ブランドなど、販売店舗の方針やブランドイメージにより、販売価格は決定されているのです。
また、宝石店で販売されるダイヤモンドは、さまざまな加工が施されています。その工賃やダイヤモンドのほかに使用されている貴金属の値段もあるため、一律に決まらないのも当然といえるでしょう。ダイヤモンドの品質を決めるひとつの要素である「カット(研磨)」は、まさに人の技術によって価値が変わる部分です。優秀な職人の手にかかるとダイヤモンドは輝きと価値が高くなります。
このように、実際に一般の人が手に入れる際に支払う販売価格について統一基準はありません。そのため、買い取りの査定をしたときには大きく変動する可能性があります。これらのことを「クライアントに説明しなければならないときもある」と認識しておきましょう。
まとめ
ダイヤモンドの価格の仕組みと、世界中で価値が一定に保たれている理由とその方法について解説しました。ダイヤモンドは他の貴金属と同様に資産として扱われることも多いため、価値を一定に保つように尽力されてきたのかもしれませんね。ダイヤモンドの価格決定が、複雑なプロセスを踏んでいることを知っておきましょう。
ダイヤモンドの買い取りを行う上で、国際的な基準の相場を知りたいとお考えの方は、ぜひ当社へご連絡ください。現在公開されているダイヤモンドの相場についてご案内いたします。
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